秋の匂い

病葉がこぼれる道は
想い出が降り積む道
はるかな時の彼方に揺れる
こころふるえる日々よ

くちびると ふれたあとの
火と燃えた あなたの頬を

秋の匂い嗅ぐたび思う
あれこそが 愛だった
目にあやな 秋景色
あなたは ここにはいない

誰かしら 手紙を焼いて
灰色に染った土に
小枝を拾い イニシャル描いて
過ぎた10年をしのぶ

情熱を知ったひとの
激しさを 受けとめられず

秋の匂い 嗅ぐたび 責める
あまりにも 若かった
目にあやな 秋景色
あなたは ここには いない

秋の匂い 嗅ぐたび思う
あれこそが 愛だった
目にあやな 秋景色
あなたは ここには いない

目にあやな 秋景色
あなたは ここには いない
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