夏・二人で

暑い夏の盛り場を
ボクタチ うきうき歩いた
ネオンの隙間を 摺り抜けては
どうしても 真直ぐに歩けない

賑やかに 賑やかに
出来るさ 賑やかに
“長いドレスが欲しいなあ
あの飾り窓の……”
ポツンとひと言 心の中に
夢の径をたどって
そっと収まる
いつかの夏に そんな言葉

暑い夏の真夜中に
ボクタチ とつぜん気が付く
ダルイ体を タタミの上に
危なっかしく投げ出した
そのあとで
ひっそりと ひっそりと
出来るさ ひっそりと
“カレーライスが
食べたいなあ
綺麗なレストランで……”
ポツンとひと言 寝言みたいに
夢の径をたどって
消えてしまう
いつかの夏に そんな言葉
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