鏡の中の絵描き

野に咲く色あせた 淡いピンクのバラ
水面を滑る白鳥が 放つ真珠の水しぶき

何年もここに座っていられるような
そんなまぼろしの世界

美しいと思うものは
何でも私のものにできるとあなたは言う

鮮やかな色を使って
混ぜたり 塗り替えたりしながら
心に描き出すようにして

美しいと思うものは
何でも私のものにできるとあなたは言った

手に入れようとしたりせずに
見つめることができたのなら
あなたを心に描き出すようにして

私の愛しい人は ピンクのバラと
肖像画の中にだけ 今佇んでいるの

その中にだけ…
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