HARLEM

急な斜面を下って
やっと辿り着いたのは
絵にもならないほどの
誰も見知らぬところ

あなたはふいに思い出したように
懐かしの母国語を話し出すの

私にはまるでわからぬように
私にはまるで意味ないように

そう やってきたのは
たった一つの場所
お帰りなさい あなたのハーレムへ
そう 私は少し離れてるわ

横笛を吹きながら
さらに奥へと突き進むと
あなたの小さな箱庭に
種のないオリーブだけ

そう やってきたのは
たった一つの場所
お帰りなさい あなたのハーレムへ
そう 私はずっとここで待ってるわ

もう 見たくないものなんてないのよ
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