夏の夜空

夕暮れ間近の街を抜け出し 二人の秘密の場所へ急ぐ
見せたい眺めがあるから早くと手を引いた
あなたに会える気がして
何年ぶりに登る坂道 突然響く音に振り返る

夏の夜空を彩る花火が 闇をつらぬき あの日を呼び醒ます
八月のこの日は二人一緒に 毎年ここで花火を見ようねと誓った

街外れ神社の角を曲がれば 秘密の空き地は見えるはず
なのにどうしてこんな白いビルがあるの
息も出来ない あなたはこの事知ってる?

夏の夜空を彩る花火が 闇をつらぬき あの日を呼び醒ます
この場所で二人で見た花火を 忘れはしない
あなたは幸せでいますか

変わりゆく時の中で 変わらないものなど何ひとつないのね

この場所で二人で見た花火を 忘れはしない
忘れない 忘れない

夏の夜空を彩る花火が 秋の息吹を 静かに攫っていく
この場所で二人で見た花火を 忘れはしない
あなたは幸せでいますか
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