祇園小唄

月(つき)はおぼろに 東山(ひがしやま)
霞(かす)む夜毎(よごと)の かゞり火(び)に
夢(ゆめ)もいざよう 紅(べに)ざくら
しのぶ思(おも)いを 振袖(ふりそで)に
祇園(ぎおん)恋(こい)しや だらりの帯(おび)よ

夏(なつ)は河原(かわら)の 夕涼(ゆうすず)み
白(しろ)い襟(えり)あし ぼんぼりに
かくす涙(なみだ)の 口紅(くちべに)も
燃(も)えて身(み)を焼(や)く 大文字(だいもんじ)
祇園(ぎおん)恋(こい)しや だらりの帯(おび)よ

鴨(かも)の河原(かわら)の 水(みず)やせて
咽(むせ)ぶ瀬音(せをと)に 鐘(かね)の声(こえ)
枯(か)れた柳(やなぎ)に 秋風(あきかぜ)が
泣(な)くよ今宵(こよい)も 夜(よ)もすがら
祇園(ぎおん)恋(こい)しや だらりの帯(おび)よ
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