不知火恋歌

恋に死ねたら この八代海(うみ)の
夫婦(めおと)蛍に ふたりはなれる
そんな悲しい 伝説を
私に教えて くれたひと
逢いたかねぇ あん男(ひと)に
涙でるほど 逢いたかねぇ
沖で燃える 不知火(しらぬい)は
生命(いのち)焦(こ)がす おんなの情炎(ほのお)です

波にゆらめく うたせ船
宿で眺めて 抱かれた私
肥後の女の 深情け
千尋(ちひろ)の海底(うみ)より まだ深い
好(す)いちょるばい あん男
眠れないほど 好いちょるばい
闇を走る 不知火は
愛に縋(すが)る おんなの恋涙(なみだ)です

逢いたかねぇ あん男に
涙でるほど 逢いたかねぇ
沖で燃える 不知火は
生命焦がす おんなの情炎です
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