カレッジ・シューズ

通った道の はずれにのぞく
つたで飾った 時計台
レンガの壁に めくれたポスター
そこの色だけ あの頃のままよ
かかとつぶした カレッジ・シューズ
夢に向かって 歩いていたわ
あなたと 肩を寄せ合った
1枚きりの 記念写真
胸のひき出し そっと開ければ
やさしい誰か 居る気がして

くもった窓を 指でこすると
電車が見えた 教室よ
あなたの名前 ペンで彫っては
あわてて消した あの日がまぶしい
かかとつぶした カレッジ・シューズ
恋と一緒に 歩きたかった
偶然街で 見かけても
声さえかけず 見送ったの
やがて大人に 変わる私を
あなた何処かで みつめていて
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