アジサイレイン

ただ君といる それだけで僕は 心から幸せだった
ただ君と 笑い合えれば ありふれた日々も特別だった
紫陽花の咲く季節に はじまった僕ら二人は
目と目が合えば微笑んで 恋はシンプルに 恋だった

相合傘 照れながら 右手と左手で持って
隣の君濡れないように 7:3のバランスで
雨の日が嫌いじゃないって 初めて想えたんだ
瞼を閉じれば あざやかに 蘇る

どんな価値観のズレも 擦り合わせられると信じてた
ぶつかり合うことがあっても 通り雨のようなものだって
でもかわいかった小さなわがままも だんだんと笑えなくなって
僕らの間に横たわる溝が深くなっていった

はじまりの優しさを 何とか取り戻したくて
思い出の扉を開け 必死で手を伸ばすよ
その度に何度も思い知らされる
あの日の二人 今の僕らと違うんだと

紫陽花は 枯れてもなお 散り落ちることもなく
僕らのように 最後まで季節にしがみついてる
なぜ気持ちは 移ろって 色彩も変わりゆくの
君を愛した あの日々を ひとり噛み締めながら
僕らの恋も もう そろそろ 終わりにしようか

雨の季節も終わるよ
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