ハイヒールとスニーカー

夢追うことやめられない僕と
そんな僕を好きだと言った君
共に暮らし始めたのは、二年前の春だった

甘えるのが苦手な僕は 弱さ君に見せたくなくて
君の荷物まで引き受けて生きて行こうと決意した

やがて現実を思い知らされては 無力感に苛まれる夜を重ねて

ハイヒールと真新しいスーツを着て出かけてく 君を見送る度 胸が痛むよ
このまま君と一緒にいたら僕は自分を嫌いになってしまうだろう

君が生きる世界にはきっと
僕にないもの持ってる人が沢山いて
僕が知らない笑顔を見せたりしてるのかな

血眼になり探し続けてた自分にしか成し得ないことを
何でもいい
小さくても胸を張れるような結果を、と

賢者にも 愚か者にもなれないまま 過ぎ行く時間が
少しずつ僕の心追い詰めて

ハイヒールと汚れたスニーカーを見た玄関で 僕の中の何かが弾けた
ごめんよ 君が帰る前に 僕はこの部屋を出てゆくことを決めた

ハイヒールに汚れたスニーカーは似合わないさ
まとめた荷物に放り込んだら
住み慣れたこの部屋を 僕は独り後にする 悪いのは全部 僕なんだよ

不甲斐ない僕を許して
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