赤い終着駅

小雪降り積む 寒い朝
鉛の汽車 翻り

あの人を連れて行く
知らない町へ 連れて行く

待合室の片隅で 膝を抱えて
聞いていた 無情の汽笛
聞いていた

ホームの横は 日本海
生きてく為に 離れ往く

あゝ 最果ての町
悲しみが 降り続く

白い闇夜に 鳴る汽笛
最後の汽車 息吐いて

あの人を連れてくる
夢見る頃に 連れてくる

錆びたストーブ 火が点けば
終着駅が赤くなる 迎える顔も
赤くなる

一年振りの 日本海
乗継バスヘ急ぐ人

あゝ 最果ての町
ささやかに 過ぎて行く

ホームの横は 日本海
生きてく為に 離れ往く
あゝ 最果ての町
悲しみが降り続く

降り続く
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