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LIVE REPORT

ハルカトミユキ

【ハルカトミユキ】 『HARUKATOMIYUKI +5th Anniversary SPECIAL』 2017年9月2日 at 日比谷野外大音楽堂

2017年09月02日
@日比谷野外大音楽堂

“ハルカトミユキの音楽が好きってことは、何か悩んでて言葉にできない人たちだと思うんだけど、そのモヤモヤを私たちにぶつけてくれますか?”――ライヴ後半、ミユキ(Key&Cho)の叫ぶ問いかけは野音の空気をほぐしながら、理想的に熱くもしていた。

冒頭「世界」から辺りを悠々と見渡して歌うハルカ(Vo&Gu)にしても、もはや甘えのない強さを感じる。これまでぎこちない印象だった「DRAG & HUG」がバシッと決まり、よりBPMが上がってビートナンバー化した「伝言ゲーム」、ステージ後方の大スクリーンにふたりがナイスアングルで映し出された振付ありの「インスタントラブ」で、早くも胸がいっぱいに! 開演時に青かった空には、いつの間にか月がドラマチックに輝いている。

“デビュー5周年のお祭りなので、夏の終わりを一緒に楽しんでください!”というハルカのMC通り、代表曲はもちろん、ふたりだけで披露した結成後初めて作った曲「夏のうた」、光の粒がきれいに舞う中で凛と歌った「宝物」、健気な想いが温かい余韻を残す新曲「手紙」(11月公開の映画『ゆらり』書き下ろし主題歌)などを惜しみなく聴かせる。

「近眼のゾンビ」ではハルカの拡声器2丁使いとミユキのギターが炸裂! そして、「終わりの始まり」ではMVさながらに歌詞も投影され、怒りを帯びた音塊に乗せて目をカッと見開いて訴えるハルカの表情がたまらなかった。ふたりの逞しさに高まりまくる観客。「LIFE 2」「種を蒔く人」の美しい生命力は次のツアーへも持続する。「Vanilla」のイントロで野音の木々がざわめいたんです、本当に。

撮影:上山陽介/取材:田山雄士

ハルカトミユキ

ハルカトミユキ:2012年終盤に突如現れた、歌人・ハルカと奇人・ミユキのふたり組。どこまでも言葉にこだわる時代錯誤の文藝少女のハルカと、ノイズとジャンクで踊る愛すべきフリークスのミユキ、ふたりの決して交わらないねじれの位置が生み出す音楽は、インディー流通でありながら鮮烈な印象を残し、13年11月にアルバム『シアノタイプ』でメジャーデビューを果たす。