最後の花火に今年もなったな、何年経っても思い出してしまうな。

イチオシ!
最後の花火に今年もなったな、何年経っても思い出してしまうな。
次の一発が上がったら 手を握ろう。 そう決めてからもう 五発目。 (第68回 呉の夏祭り ポスターより) 8月1日は【花火の日】と呼ばれております。そこでまず、SNS上で「素敵!」と話題沸騰中の“花火大会告知ポスター”に綴られている言葉をご紹介。こちらは、広島県・呉市にて7月29日に開催された『第68回呉の夏まつり 海上花火大会』の広告キャッチコピーです。ポスターは5種類あり、「海と空と、ふたりの間に」というテーマのもと、花火大会を訪れた様々な“ふたり”のイラストと心の内が描かれているんです。「海と空と、ふたりの間に」咲く花火で、その物語はどのように変化していくのでしょうか…。 夜空に咲いた花散る 一瞬の中で永遠に消えた 儚いよ 寂しいよ ねぇ 消えないで あなたを失いたくない 「恋花火」/CHIHIRO ヒラリヒラリ散る花火は終わりを告げて 過ぎてゆく時の中忘れてたんだ 君の姿が消えてゆく前に きっとまた会える日のこと想いました 「ゆらり花火」/ケラケラ この線香花火が消えたら もうさよならなんだね きみが決めたことだから 何も怖くなんかないよ 「線香花火」/ナオト・インティライミ ただ、歌ネットで、花火が登場する人気楽曲の歌詞を調べてみると、意外にも告白ソングや片想いソング、両思いソングより、上記の3曲のような失恋ソングが多いようです。歌われているのは、この花火が終わってしまったらお別れという場合の切ない心情、すでに離れてしまった大切な人への想いなどなど。たとえ同じ空の花火を見上げていたとしても、もう“ふたり”がそばにいるとは限らないのです。 一人きりで見上げる花火に 心がちくりとした もうすぐ次の季節が やって来るよ 君と見てたうたかた花火 今でも想う あの夏の日を 「うたかた花火」/supercell 今頃 あなたも どこかで 思い出してるの? あの夏の花火を 今年も綺麗ね あの日と同じように 輝く花達 今頃 あなたも どこかで 散ってく季節を生きてる 今頃 誰かと―― 「あの夏の花火」/DREAMS COME TRUE 最後の花火に今年もなったな 何年経っても思い出してしまうな ないかな ないよな きっとね いないよな 会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ 「若者のすべて」/フジファブリック supercell「うたかた花火」、DREAMS COME TRUE「あの夏の花火」、フジファブリック「若者のすべて」、いずれもキーワードは“あの夏を思い出す”ということ。花火とは、花のように綺麗だけれどいつかは枯れてしまうもの。火のように熱く煌めくけれどいつかは消えてしまうもの。その儚さは“恋”にも似ています。しかし、煙の匂いも輝く美しさも爆ぜる音も蒸し暑さもすべて五感に記憶されているから、花火が心身にあの日を思い出させるスイッチになるんですね。 そして主人公たちはそれぞれ、今の花火を見上げながら、過去のあの人を思い出すのです。またフジファブリック「若者のすべて」のように、また会えることを心のどこかで期待しながら毎年、同じ花火大会へ足を運ぶ人もいるのではないでしょうか。ちなみにこの歌は次のように幕を閉じてゆきます。 ないかな ないよな なんてね 思ってた まいったな まいったな 話すことに迷うな 最後の最後の花火が終わったら 僕らは変わるかな 同じ空を見上げているよ 「若者のすべて」/フジファブリック おそらく<僕らは>数年越しの花火大会で再会できたのです。<最後の最後の花火>は終わってしまうけれど、また何かが始まりそうな予感のする二人ですね…!そういえば前述した『第68回呉の夏まつり 海上花火大会』のポスターにも「地元の花火。友だちには会った。あいつにはまだ、」というコピーのものがありました。この主人公もきっと“あいつ”を思ってこの場へ来たのだと思います。“まだ、”の物語の続きが気になりますね…!