今日のうたコラム - 歌ネット|歌詞検索サービス「歌ネット」

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  • さめざめ
    毎日が一生分のような気持ちで向き合っている女の子たちへ。
    毎日が一生分のような気持ちで向き合っている女の子たちへ。

    さめざめ

    毎日が一生分のような気持ちで向き合っている女の子たちへ。

     2024年11月20日に“さめざめ”がミニアルバム『黄昏ハッピービッチ(下)』をリリースしました。女の子の心情の代弁者として圧倒的存在感を誇るさめざめが結成15周年を記念してミニアルバム『黄昏ハッピービッチ』(上・下)を発売。第一弾は7月3日にリリース。そして第二弾には、唯一無二の新たなさめざめソングが全8曲収録されております。    さて、今日のうたではそんな“さめざめ”の笛田サオリによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 可愛くなぁれ 」にまつわるお話です。この歌を、自分史上最速でCD化した理由は…。メイクをするとき、通勤・通学のとき、いつだって音楽が欠かせないあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 人生史上、こんなに爆速で新曲をCD化するのは初めてだ。 2024年11月20日にCDリリースすることを計算すると、一般的は7月の時点でレコーディングが終わってないといけない。今回のアルバムにどうしてもぶっ込みたくて爆速で作ったのが、この「 可愛くなぁれ 」。   実は『黄昏ハッピービッチ(下)』のリード候補曲は去年から既にできていた。 着実に今回のアルバム用の新曲のアレンジや楽器隊のレコーディングも進めていた。 どうしてこの「可愛くなぁれ」を今年中にリリースしたかったのか。   今年の4月に新宿マルイ本館で15周年を記念したポップアップショップを開催した。 かなり広いスペースでのポップアップで、写真の展示やグッズ販売の他に、一つのブースでさめざめの歌詞を宙からぶら下げた歌詞フォトブースを作った。 店員はもちろん私で、私が接客してレジまで打っていた。   とても軽い気持ちでこの歌詞フォトブースの動画をTikTokに上げたところ、1日で一気に再生回数が増えて、翌日からどこからともなく10代~20代の女の子たちがこの歌詞フォトブースを目掛けてやってきた。   ライブハウスで会ったことがないけど、さめざめを好きと言ってくれている、制服を着た女の子たち。さめざめをなんとなくしか知らない子たちもいた。 せっかくなので私は来てくれた女の子たちと沢山のおしゃべりをした。 数年前からTikTokでバズっている「 きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい 」が大好きな子たちが多くて、「どんな時に曲を聴くの?」とまるでインタビュアーのように聞いてみた。   すると9割の女子中高生たちが、「メイクしてるとき」と答えた。 「この曲を聴きながらメイクすると、アイラインがうまく引けるんです。メイクがうまくいくんです」みんなが口を揃えてそう言っていて、私は知らないところでこの楽曲に魔法をかけていたのかもしれないと思えた。   他には、「学校に行く前にテンションを上げるときに聴く」という子も多くて、自分が女子高生の頃を思い出した。 あの頃のことを思い出すと、当時はスマートフォンがなく、携帯で音楽なんて聴けなかったのでMDウォークマンを親に買ってもらい、TSUTAYAで一週間5枚パックでCDを借りて自分で録音と編集をした。 私の高校生の頃はJUDY AND MARY、椎名林檎、Cocco、aiko、宇多田ヒカルなどとんでもない歌姫たちが存在していた時代だった。自分で編集したMDを通学時に聴いていた。   女子中高生たちにとって、朝目覚めて自分の気持ちを高揚させるために音楽を聴くことはとても大切なこと。大人になった私はすっかりその感覚を忘れていた。   そんな毎日を頑張って生きようとしている女の子たちに、1秒でも早く私からの魔法の曲をプレゼントしたいと思った。 それが「可愛くなぁれ」 昨今「かわいい」というワードの楽曲が多く見受けられる。 同じところで勝負をしなくてもいいとも思われるかもしれないが、あえて同じワードで勝負をしようと思った。 さめざめ史上とびきり可愛い曲を作る。 朝目覚めてからメイクをするとき、学校に行く電車のなか、バイトに行くまえ、仕事に行くとき、デートの直前、聴きたくなる魔法の曲。   4月のポップアップで女の子たちと話をして、曲が閃いてすぐにデモを作り、無理やりに今回のアルバムに収録する段取りを作り、まさかのリード曲までのしあがった。   MVのヒロインも、4月のポップアップに遊びにきてくれたデコラ系クリエイターのNonを起用した。実際に彼女もメイク時によく聴いてると言ってくれていた一人。 この曲のMVはさめざめを好きな女の子がヒロインになるべきだと思ったからだ。   「可愛くなぁれ」はさめざめファンの子たちが作り上げてくれた曲。 歌詞とは本当に魔法の言霊で、みんなのハートの奥の奥まで届く。 毎日が一生分のような気持ちで向き合っている女の子たちへ。 私からのプレゼントでもっともっと可愛くなってほしい。   <さめざめ・笛田サオリ> ◆紹介曲「 可愛くなぁれ 」 作詞:笛田サオリ 作曲:笛田サオリ ◆ミニアルバム『黄昏ハッピービッチ(下)』 2024年11月20日発売   <収録曲> 1. だってあたしはさめざめガール 2. 可愛くなぁれ 3. 最優秀ハッピーエンド賞 4. アフターピルベイビー 5. 裏SHIBUYA 6. 白昼夢と悪魔とワンピース 7. テイキュウ少女漫画 8. 生涯一の片想い

    2024/11/21

  • Sano ibuki
    最後の日の過ごし方
    最後の日の過ごし方

    Sano ibuki

    最後の日の過ごし方

     2024年11月27日に“Sano ibuki”が2部作からなる3rd Full Album『BUBBLE』をリリース。デビューアルバム『STORY TELLER』以来、新たに書き下ろした空想の物語をもとに、2部作(side-DUSK/DAWN)となる本作。「夢」に憧れ、旅を始める二人の少年による、異なる時空で繰り広げられる冒険譚をもとに書き下ろされた作品となり、前篇「BUBBLE side-DUSK」は10月30日に配信リリース。    さて、今日のうたではそんな“Sano ibuki”による歌詞エッセイを2回に渡りお届け!第2弾は、「BUBBLE side-DAWN」収録曲「 きっと ずっと 」にまつわるお話です。この歌を作る動機を得た大事な日。誰に何を言われても、大切な自分の“好き”があるあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 前書き 日記のように書き留めていた文章に少し手を加えたものになります。思えば、「きっとずっと」という曲を作る動機を得た日だったなと思い、世の中に送り出そうと思います。2024年8月28日「三千世界」のレコーディングの日のことです。 推しが卒業するという体験を初めてした。 卒業の日には配信ライブが20時から行われ、21時からレコーディングだった僕は、電車に揺られながら実感のないままスマホの画面を眺めていた。 配信はまだ始まってもいないのに、大量のコメントが流れていく。まだかなあ。長いなあ。なんて思えるほど不思議と心は平然としていた。   思えば、僕は1人の人間を推すという行為をアニメのキャラクターや作品の中にしかしたことがなかった。 その最後のお別れのやり方はどれも決まって、"辛くて最終回以外は何百回も観たのに最終回だけがどうしても一度しか観れない"といったもので。分断された世界に対して投げかけることなんて無粋で、ただ悲しむしかない。受け入れないぞと拒絶するしかない。そんな終わりだった。   だからこそ物理的に言葉、文字を投げかけることができる卒業というものがこんなに生々しく、現実世界で起きている事象なんだと無理矢理、理解させられる体験が新鮮で、そしてこんなにも実感の湧かないものなのかと驚いた。   独り、薄暗い部屋で菓子パンを齧った時も、上手く眠ることが出来なくなってしまった朝6時のベットの片隅にも、動いているものがないと頭がおかしくなってしまいそうになった作業中にも、かわるがわる新しい人と話しては引き攣った笑顔を拭うように死んだ目で揺られた満員電車のイヤホンの中にも、その側には配信という近くも遠くもない距離に彼女がいた。   画面の向こうで人見知りしながらも人と関わることをやめず、「えへ、えへへ」と下手な相槌を打ちながら、向き合っていた彼女は、人と向き合うことをやめた部分さえ除けば、自分とあまりに重なっていた。   幼少期、まだアニメやゲーム、漫画が好きだということで迫害を受けるようなことがあった頃、僕はクラスメイトから、「そんなもの好きなんて気持ち悪い」と言われたことがあった。 テレビでは、"ゲームのやり過ぎ、アニメの見過ぎは馬鹿になる"や"オタクは罰せられるべきだ"と言わんばかりにコメンテーターが吠えていた。   隣で父親に、「いぶきもこんな風になるんじゃないかって不安やぞ」とため息を吐かれながら、身に覚えもないお説教を受けることもあった。親なりの心配だったのだろう。今では有難いとさえ思える。   でも自分をまだしっかり保てるような歳でもなかったからか、スポンジのように言葉を吸い込んでは、自分とその殺人鬼の何が違うのか悩み、強烈な不安と共にクラスメイトから投げかけられた、“気持ち悪い”という言葉を自分に投げるようになっていた。   自分の基礎にある自己肯定の低さはここから来ているところもあるだろう。いまだに声高々に好きなものを好きだというのが少し怖くなる時がある。 そんな諦めが癖になった頃に見つけたのが彼女だった。   味のしなくなった食事を流し込むために、YouTubeでお供を探していた時、偶然、切り抜きを見つけた。 SAO(ソードアート・オンライン)を好きだとちょっと怯えながら早口に話す彼女にそんな自分を重ねていた。そして「誰かの光になりたい」と直向きに頑張り、確実にそうなっていく姿に、いつのまにか純粋に憧れていた。   20時45分、レコーディングスタジオに着いたが、まだライブは中盤で終わりそうにもなかった。 慌ただしくスタッフの方々が準備をしてくださっている中、イヤホンをつけて画面から目を逸らさず見つめ続けた。ディレクターが怪訝そうにこちらを見つめているが、「後でアーカイブを見ればいい」と妥協してしまったら後悔しそうでやめることはできなかった。   卒業発表を見た時に意外と動揺しなかった。 日常に溶け込んでいたものが消えることの大きさを認識していなかったこともあるのだが、まあそのタイミングはいつか来るよな。と楽観的にお知らせを見ていた。 強いて言えば、出来ることは何もない、ということになんとなくその日のデザートを残してしまうくらいのショックを抱えたくらいだった。   卒業を発表して約一ヶ月の猶予期間、配信を欠かさずに観たわけではない。アーカイブあるし、また明日見ればいいし、曲作らないといけないし、練習あるし、眠いし、なんか気分じゃないし、そんな理由で見れる時に自分のペースで見ていた。少し後悔している。   彼女がちゃんと一つ一つ、最後まで残そうとしてくれているその場に行くことが数少ない出来ることの一つだったようにも思えた。コメントだってほとんどしたことない。でもそれでもいいと言ってくれる彼女に、余計罪悪感が募った。   最後だし、コメントしようかなと悩んで「ありがとう」とだけ送った。高速でコメントが消えていく。 涙ながらに歌う彼女へのエールと感謝の気持ちが飛び交っている。知らない間に涙が溢れていた。 それは寂しさではなく、当たり前の日々をくれた彼女に対して感謝が溢れるように流れたものだった。   ライブが終わった。派手なセットがあった画面だとは思えないほどさっぱりとしているYouTubeは真っ暗な画面と、配信は終了しました。という文字を映していた。   ティッシュで涙を拭っていると、ディレクターに、「何、画面観て泣いてるの。面白いなあ」と冗談を言うように笑われた。 もう21時を少し回っていて、レコーディングのメンバーが到着していたので、挨拶に向かう。初めましての方もいたのでしゃんとしなきゃなあと心のネクタイを結び直す。 準備されていた皆さんに声をかけると朗らかで、挨拶と共にもらえた「曲めちゃくちゃいいですね」という言葉に少し安心する。隣からディレクターが、「さっき、Sanoの推しが卒業しちゃったみたいで、画面眺めて泣いてたんですよ~もうレコーディングだって言うのに困っちゃいます」と場を和まそうと話をし始めた。 するとすぐにドラムを叩いてくださった吉田雄介さんが、「えっもしかしてあの人ですか」と返してくれた。 同じく推しがいるらしく、和やかに好きを語ってくれた吉田さんは次に「大丈夫ですか」という言葉をくれた。 胸にグサッとその言葉が残った。   少し談笑をしてからブースを離れたが、吉田さんの「大丈夫ですか」という何気ない一言が胸に漂い続けていた。それは久しくされていなかった自分の好きを誰かに大事にしてもらえた瞬間のようだった。   永らく、こういう趣味は誰かと分かち合うものではないからと笑われても、馬鹿にされても、気持ち悪がられても仕方ないと蓋をしていた。そうやって怯えて殻にこもってしまっていた。同類を見つけても、趣味が違うからとかそんなことで否定されることを恐れては避けてきたツケだとも思っていた。   でもこうして、「画面越しでも大事を失くすことが大丈夫じゃないことに気づいてくれる人がいる」。そんなことに気づかせてもらえた。きっかけをくれた吉田さんや、今まで見ないふりをしてきた人達もそういう気づきをたくさんくれていた。それに気づけなかったことが悔しくて、あったかくてまた少し泣いた。   推しのおかげで久しぶりに人の優しさに気づけた。最後の最後まで貰いっぱなしだった。   すごく素敵な憧れる人でね、卒業配信も素敵だったんだよ。とディレクターに伝えた。誰かに伝えたかった。 それが僕にできる精一杯だった。   明日になれば、過去のアーカイブを眺めながらまた味のしない飯を流し込むのだろう。僕には他にも推しがいる。他で事足りていってしまうのかもしれない。 でもこの気づきを思い出すたびに大切なものとして引っ張り出すと思う。 沢山の愛に包まれて前へ進んだ彼女のように、誰かの光と成れるように僕も駆け抜けたい。そんなきっとをずっと願っていた。 始まりの曲だけど、夢を諦めた人の歌でもある曲を録りながら思った。そして自分も彼女のように誰かの心に宿り続けるものをと、描き切りたいと、そんなことを思うのだった。 <Sano ibuki> ◆紹介曲「 きっと ずっと 」 作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki   ◆3rd Full Album『BUBBLE』 2024年11月27日発売

    2024/11/20

  • Charisma.com
    エライ40
    エライ40

    Charisma.com

    エライ40

     2024年11月20日に“Charisma.com”がニューアルバム『ERROR40』をリリース! “異常なポップス集”と称された今作には、今年隔月でリリースされてきたシングルと新曲を合わせた全12曲が収録。参加アーティストには弓木英梨乃、MIDICRONICA、ポチョムキン(餓鬼レンジャー)、屋良朝幸らが名を連ねております。    さて、今日のうたではそんな“Charisma.com”のいつかによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。日常の違和感を歌い続けてきた自身が、今作を完成させて気づいたこととは…。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください! ごきげんよう。 不毛のリリシスト、Charisma.com いつか です。   日常の違和感を歌い続けて約10年。 「言ってることが10年前と変わってなくね?」 そう気付いたのは、 最新アルバム【ERROR40】が完成したからです。     あの頃は思い込んでおりました。 「この違和感は歌になったから、自分の中でちゃんと昇華された。」 そして疑わなかった。「私は日々成長している。」と。   大人になったら、“当たり前に出来ること”が増えて、 余裕が生まれて、ネクストレベルの違和感が生まれている。 私の人生は、絶えず前へ前へと進んでいる。と。   しかしながら、実際はこちら。 あの時と同じ場所に同じ違和感を抱き、 今も尚、眉間にやや皺を寄せています。 そのくせ流れた月日の分だけ見慣れて、フレッシュさが減り、 なんだか少し物足りないワガママも発動。     私は止まったのかい?     同じ場所をぐるぐるしているのでしょうか。 時を経て、退化してる様にすら思えます。   このアルバムは大きな発見になりました。   私は常に、自分の中で生まれる違和感、“エラー”に対峙して、【ちゃんと】、【しっかり】、【冷静に】、あろうとしてきた気がします。 でも、それこそ本来、私の中にないものなのかもしれない。 立派に大人であろうとすることが、真のエラーなのかもしれない。 今は、そんな風に思える気もします。   そして、忘れてはいけないこと。       そもそも10年前もとっくに大人だった。       更に、私くらいポジティバーになってくると、 これに胸を張って『自分らしさ』と名付けます。   今、私は、明日の自分に言いたい。         「少し黙りな?」     <Charisma.com いつか>   ◆ニューアルバム『ERROR40』 2024年11月20日発売   <収録曲> 01. スーパースター 02. ローガイズ feat.弓木英梨乃 ver.ERROR 03. メンタルワープ 04. Shut up feat.shimimins 05. BKLV feat.屋良朝幸 06. fmfm feat.松嶋初音 ver.ERROR 07. 変身 feat.MIDICRONICA 08. Bon Clap feat.ポチョムキン(餓鬼レンジャー) 09. 星空フィーリング feat.Riyo Kurose 10. アラフォーマジック 11. powerful complex 12. カンブリアダンス ver.ERROR

    2024/11/19

  • SPYAIR
    青さを抱きしめながら一歩ずつ進む
    青さを抱きしめながら一歩ずつ進む

    SPYAIR

    青さを抱きしめながら一歩ずつ進む

     2024年10月30日に“SPYAIR”がニューシングル「青」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『青のミブロ』のSPYAIRが手掛けるオープニングテーマ。誰しもが通る青い時代を渡って、大人になっていく変化や決意が込められた楽曲となっております。さらに、カップリングには「ジャパ二ケーション (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)」と「ROCKIN’ OUT (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)」が収録!    さて、今日のうたではそんな“SPYAIR”のMOMIKEN(Ba.)による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作のタイトル曲「 青 」にまつわるお話。デモを聴いたとき、最初に降りてきたフレーズ。青という色で広がる様々なイメージ。そして曲に込めた想い…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! SPYAIRのMOMIKENです。普段は歌詞以外の言葉をなかなか文字に起こすことはないので、こういう機会をもらえてワクワクしています。とはいえ、そんな自分がいきなり上手に文章をつらつらと書けるわけでもないのでお手柔らかに読んでいただければと思います笑。   今回は先日リリースした新曲「青」について話していこうと思います。   この曲は年初にUZから曲のデモを受け取って、一聴した瞬間にサビの<青く 青く 澄んだ>という言葉が降りてきました。普段はあまりそういう事は無いのですが、今回はTVアニメ『青のミブロ』への書き下ろしという事で、書き始める前からある程度イメージしていたものがふっと言葉として降りてきたのかもしれません。   青という色は、若さや未熟さだけでなく、成長の可能性や新たな始まりの象徴でもあると思います。自分たちが経験を積む中での不安や葛藤、そして希望は、まるで青い深淵の海や大きく広がる青い空のように、無限の可能性を感じさせてくれます。   サビのワンフレーズが降りてきた瞬間、この「青」という曲では、若さからの成長を描きたいと思いました。はじめは何もわからず戸惑い、悩む日々が続くけれど、時間と共に自分が本当に大切にしたいものや目指すべきものが見えてくる。若さの中にある未完成の部分、まだ形が定まらない自分の色が、次第に深みを増していく過程を表現しています。   青の色は、鮮やかなライトブルーから深いネイビーまでさまざまなトーンがありますが、これが成長を象徴しているようにも感じます。明るい青が持つ希望や夢、暗い青が表す重みや責任感、どちらも成長に必要な色合いです。挑戦とともに変化する自分に気づき、若さの中で得た青さを抱きしめながら一歩ずつ進む。その過程が、この曲「青」に込められた思いです。   余談ですが、自分が高校生の時に『青のミブロ』の原作者、安田剛士先生の作品で『Over Drive』という自転車の漫画を読んでいました。20年以上も前の話です笑。   20年以上も前の事ですが、10代の青い時代というのは昨日の事のように思い出せます。歌詞を書こうと机に向かった時にそんな日々をふと思い出し、懐かしみながらも、一読者だった自分が今こうして先生の作品に携われているという事実が誇らしく思えて、いつも以上に歌詞制作に集中することができました。   ここまでで色んなものが混ざった自分の青ですが、今の色合いは気に入っています。これからもそう言い続けられるように歩みたいなとも。   さて、いかがでしたでしょうか? なんだか取り留めなくなってしまった気もしますが笑。次回は今年、SPYAIRの活動に転機をくれた楽曲「オレンジ」について話していきます。お楽しみに。   <SPYAIR・MOMIKEN> ◆紹介曲「 青 」 作詞:MOMIKEN 作曲:UZ  ◆ニューシングル「青」 2024年10月30日発売   <収録曲> 青 ジャパ二ケーション (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5) ROCKIN’ OUT (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5) 青 (Anime Size) ※期間生産限定盤のみ収録 青 (Instrumental)

    2024/11/18

  • ジ・エンプティ
    無理にナイフを仕舞うのは正義とは言えない。
    無理にナイフを仕舞うのは正義とは言えない。

    ジ・エンプティ

    無理にナイフを仕舞うのは正義とは言えない。

     2024年10月30日に“ジ・エンプティ”が2nd EP『革命e.p.』をリリースしました。精力的に活動を続けている彼らの最新作は、ジ・エンプティらしさあふれる全4曲が収録。また、リリースに伴い、全国ツアー『革命ツアー2024』が開催。11月8日(金) の千葉・千葉LOOKを皮切りに、ファイナルの12月18日(金) 福岡・福岡BEAT STATIONまで全国12カ所で行われます。    さて、今日のうたではそんな“ジ・エンプティ”のトクナガシンノスケ(Gt.)による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作『革命 e.p.』にまつわるお話です。最近のちょっと変わった作曲法について。そしてタイトル曲「 革命 」に込めた想いについて。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください。 怒られかねないので予防線を張った上で言います。 元より随筆じみたことは嫌いではなかったので、今回エッセイのお話をいただいた際は快く受け入れましたが、筆がなかなか進まないと言う事態。 普段ブログサイトみたいなやつに非常に適当自堕落文章を綴らせていただいているのですが、今回はあまり下手なことも言えないなあと。 いやブログでも特に下手なことを垂れているつもりはありませんが。   なかなか話す機会のない作曲論みたいな所に触れながら『革命 e.p.』にも触れようかなと。思うわけで、ええ。あります。頑張ります。 中高英語の教員免許持ってるんでね、文才くらいないといけませんからね。ないですけど。そして免許を行使する日が来なけりゃいいですけど。世のために。 それでは作曲論を語っていきます。ドヤ顔で。   弾き語りからだったり、モチーフ曲を元にだったり、鼻歌だったり、時期によって全く違うのですが、最近は遠征の増加に伴って長距離運転が増えましたのでそれを利用し、運転しながら聞いていた曲に勝手に違うサビをつけるとかしてメロディ作っています。まじ変。   例えば、これ言っちゃっていいのか分かんないですけど、去年出した『神様からの贈り物 e.p.』に収録されてるー、みんながよく飛ぶー、方々にいいね!って言ってもらえるー、ライブ映えするー、で有名な「 さよなら涙 」に関しては、銀杏BOYZの「漂流教室」に勝手にCメロ的なものを、いやここは晋之佑の頭文字を取っちゃってSメロとかにしときましょうか。折角親が命名してくれたので。銀杏の曲に身勝手すぎるSメロ(笑)を勝手に付けて、「さよなら涙」のサビメロが生まれたりとか。決してパクリでもないですからね。   何事もなるべく予防線を多く張った上で堂々と公言していきたいです。 とまあ作曲法に関しちゃ全然理論的ではないですがそんな感じで最近作ってます! その後は培った音楽理論を行使してます!道を踏み外さないように程度ですが! そして、今回リリースする「 革命 」は2年前に作ったので経緯は覚えてないです!今までなんの話やったんていう話ですが。   「革命」を書いた当初の記憶を掘り返した結果分かったのは、「革命」とは“大人の認知に対する歪みはギターのディストーションに変えていけ!”という曲だっちゅーわけです。 思ったより優しい曲になった印象ですが。 エンプティらしいですね。 大人!というのは特定の誰とかではなくて、大人に対するヘイトの塊ソングという訳でもなくて、ただ、あなたが持つ大人への或いや、誰かへの反逆心だったり蟠りだったりストレスだったりの一見ネガティブな気持ちは、決してマイナスばかりではないんだよと言いたい訳です。   ナイフを持つことが正義とは言いませんが、無理にナイフを仕舞うのは正義とは言えないと言いますか、もう皆さんは利口なので分かりますね。 詰まる所、俺の作曲は適当でありある種、「適当」なのです!すみません薄くて。   <ジ・エンプティ トクナガシンノスケ(Gt)> ◆紹介曲「 革命 」 作詞:トクナガシンノスケ 作曲:トクナガシンノスケ ◆2nd EP『革命e.p.』 2024年10月30日発売   <収録曲> 1. 革命 2. 笑っておくれよ 3. 連れ出してやるぜ今夜 4. 銀河高速に乗って

    2024/11/15

  • さとうもか
    恋ってやっぱすんごいな
    恋ってやっぱすんごいな

    さとうもか

    恋ってやっぱすんごいな

     2024年10月30日に“さとうもか”がニューアルバム『ERA』をリリースしました。「時代」を意味する『ERA』と名付けられた今作には、今年30才になったさとうもか自身が今感じている葛藤や心境の変化が詰め込まれております。NHK岡山放送局の夕方のニュース番組『mogitate!』エンディングテーマとなった「Peach Perfect」をはじめとした全14曲が収録。    さて、今日のうたでは“さとうもか”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!最終回は、収録曲「 No message 」にまつわるお話です。みんなからやめたほうがいいと言われても、不安を自覚していても、別れを選べない。選ばない。そんなあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 恋愛にはニ種類あると思う。 一つは安心できて刺激の少ない恋愛。 もう一つは不安になるけど刺激的な恋愛。   万が一、後者を選んでしまうと、小さな優しさがものすごい光に見えてくるから危険だ。 同じ光でも、お昼のイルミネーションより夜のイルミネーションの方がどうしても感動度合いが変わってくるみたいなものだと思う。   でも人は馬鹿じゃないから、自分がそういう状況にいることもなんとなくは分かる。 だからこそ必死に小さな優しさを探して、一緒に居ても平気な理由を集めるのだ。そうじゃなきゃ、終わる理由に心が埋め尽くされてしまうから。   今回、書きたいのは「No massage」という曲について。 この曲は、主人公が恋の甘い感覚から苦味を知っていく瞬間を描いた楽曲だ。   いつの話だか忘れたけど、いつも恋人についての悩みを話す友人が、恋人に手を引かれながら駅のホームを歩いている瞬間を見たことがある。 やっぱり相談を受ける身としては友人にはどんな時も出来るだけ幸せでいてほしいと思う。 そんなに悩んでいるなら一緒に居ない方がいいんじゃないかな、でもきっとそうじゃないから難しいんだよな~。なんてことをぼんやり思っていたけれど、駅のホームで見かけた彼女は今まで見たことないような笑顔だった。 まるでマリオの無敵モードになってるように見えて、別れを選ばない理由がすぐに分かった。そして、恋ってやっぱすんごいなと思ったことを覚えている。   きっと側からみたら心配になるような恋愛でも、当の二人の間にしか分からない感情や思い出、空気とかそういうものがたくさんあって、簡単に他人の「別れちゃえばいいじゃん」の一言では片付けられない想いがあるんだと思う。   私は恋をしても揺るがない芯の強い人に憧れる。でも恋をしていっぱい変わっていくのも人間らしいし豊かなことだなとも思う。 どんなことでも、きっとそれでしか知ることができない感情がこの世にはたくさんある。 だから不安な恋愛をしていたとしても、それはそれで存分に味わうべきなのかもしれない。   でもどうかできる限りはハッピーでいてほしい。みなさま。 それではお聴きください、さとうもかで「No massage」。   <さとうもか> ◆紹介曲「 No message 」 作詞:さとうもか 作曲:さとうもか  ◆ニューアルバム『ERA』 2024年10月30日発売 <収録曲> 01. 生活は大変 02. りとる革命 03. Everyday 04. チェーン・オブ・ユース 05. No massage 06. Dear stranger 07. Misty blue 08. 未完の小説 09. Peach Perfect 10. ネオン 11. オーロラ 12. 旅 13. ERA 14. 予定   

    2024/11/14

  • Anonymouz
    紛れもなく純愛で、誰にも奪えない恋のはずだった。
    紛れもなく純愛で、誰にも奪えない恋のはずだった。

    Anonymouz

    紛れもなく純愛で、誰にも奪えない恋のはずだった。

     2024年10月23日に“Anonymouz”が新曲「ふたりじめ」をリリースしました。同曲は、日本テレビ系火曜プラチナイト ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』主題歌。MVを手掛けたのは、大久保拓朗監督。ティーンエイジャーカップルの逃避行劇を中心に、Anonymouzは2人の物語をなぞるストーリーテラーとして出演。楽曲の切なく苦しい世界観が表現されております。    さて、今日のうたではそんな“Anonymouz”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 ふたりじめ 」にまつわるお話です。主題歌を書き下ろすにあたり、ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』の台本を読んでみたとき、意外だった焦点の当て方。そして、大切にした想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 すっきりしすぎた目覚めに違和感を覚えて時計を見たら寝坊。慌てて飛び起きて、準備したけど前髪が言うことを聞かなくて、鏡に映るヘアアイロンにイラついた。 イヤホンを忘れて、楽しみにしていた大好きなバンドの新譜も聴けてないし、低気圧で頭まで痛い。 「最悪…」と何度も心の中で呟きながら始まった1日だった。   でも最近、私には、会うだけで心が晴れて、ドラマのヒロインにでもなった気分にさせてくれる特別な存在ができた。   彼と2人で歩く学校からの帰り道。 気づけば自分の話をよくしてくれるようになった。 友達とのこと、週末の出来事、親とした喧嘩の話。 今日は、さりげなく遠回りまでしてくれて、いつも以上に距離が縮まった気がした。 朝からずっと気にしてる前髪を、つい何度もいじってしまう私に、変わらない笑顔で「また明日」と言ってくれた。 見事に私の憂鬱をひっくり返して「最悪」を「最高」にしてしまう。   そんなシンプルで純粋な恋の始まりに「ふたりじめ」の主人公も胸が躍っていたはずだ。 紛れもなく純愛で、誰にも奪えない恋のはずだった。   日テレ系ドラマDEEP『3年C組は不倫してます。』という作品へ書き下ろした「ふたりじめ」は、私が描いてきた恋愛曲の中で一番真っ直ぐで孤独だと思っている。   高校生同士の不倫を中心に、登場人物それぞれの葛藤を描いているこのドラマ。泥沼な展開が待ち受けていると予想して台本を読んでみると、意外にも焦点は高校生たちの純愛に当たっていた。   「不倫は最低」。その点は揺るがないけど、人間らしい感情を無視しないこの作品がとても素敵で、飾らない楽曲を作りたいと思った。   普段生きていて、人は他人の感情論に厳しいと度々感じる。 ネット上は特に容赦ないけど、実はいつもそばにいてくれる人も思っているほど同情してくれない。 特にルールや常識を破るような行動は簡単に軽蔑されてしまうから寂しい。   だからこそ、誰から見ても避けるべき恋に落ちてしまった人の孤独に寄り添える楽曲を作りたかった。   誰にも理解されなくていい。あなたにさえ伝わればいい。 そんな想いで「ふたりじめ」というタイトルをつけました。   優しく強く、なんならその恋への情熱を後押しするほどロマンチックな楽曲になっていて、とても気に入っています。 ぜひ、聴いてみてください。   あなたの苦しい恋が、後悔に染まらず、輝きますように。   <Anonymouz> ◆紹介曲「 ふたりじめ 」 作詞:Anonymouz 作曲:Anonymouz・Hayato Yamamoto 

    2024/11/13

  • Penthouse
    やりたいことと求められるもの、両方を叶える新しい歌詞。
    やりたいことと求められるもの、両方を叶える新しい歌詞。

    Penthouse

    やりたいことと求められるもの、両方を叶える新しい歌詞。

     2024年11月6日に“Penthouse”が2nd Album『Laundry』をリリースしました。今作には、1st Album『Balcony』以降にリリースした配信シングル6曲に加え、新曲4曲を含む全10曲収録が収録されております。Penthouseのルーツの幅広さを感じさせる、満足感ある2nd Album『Laundry』、ぜひご期待ください!    さて、今日のうたではそんな“Penthouse”の浪岡真太郎による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「 Taxi to the Moon 」にまつわるお話です。作曲家を悩ませる、英語詞と日本語詞の大きな違い。やりたいことと、求められるもの、両方を叶えるため時間をかけた工夫とは…。 洋楽が好きな作曲家なら誰しも悩んだことがあると思う。英語で歌ったらかっこいいメロディなのに、日本語にした瞬間、台無しになる現象。洋楽育ちの僕も例に漏れず、高校生で作曲を始めてから長年この現象に悩まされてきた。   英語詞と日本語詞の大きな違いは「無声音」にある。「s」や「k」のような、声帯を振動させずに発音する子音は、歌の中で弱音として機能し、リズムにうねりを加えてくれる重要な要素だ。だが、実は無声音は日本語でも時折みられる。   実際に喉に手を当てながら発音してみて欲しいのだが、例えば「明日」の「し」。「sh」の時に声帯は震えていない。こういった日本語のバグのような要素を拾い集め、英語的なメロディと日本語歌詞を両立させたのが新曲「 Taxi to the Moon 」だ。   それだけではない。この曲、実はサビの日本語詞が、そのまま英語詞としても機能するダブルミーニングになっている。例えば、<託していく身 to the ギャラクシー>は“Taxi, take me to the galaxy”、<天の上 to the Moon>は“I'm on the way to the Moon”のように、サビの全編が日本語詞であり、同時に英語詞でもある。   作詞にはかなり時間がかかったが、自分のやりたいこととみんなが求めているものの両方を叶える新しい歌詞の方向性に、僕自身とても期待している。   <Penthouse / 浪岡真太郎> ◆紹介曲「 Taxi to the Moon 」 作詞:浪岡真太郎 作曲:浪岡真太郎  ◆2nd Album『Laundry』 2024年11月6日発売 1 Taxi to the Moon 2 我愛ニー 3 夏に願いを 4 Raise Your Hands Up 5 フライデーズハイ 6 花束のような人生を君に 7 一難 8 Kitchen feat. 9m88 9 アイデンティファイ 10 Whiskey And Coke

    2024/11/12

  • クジラ夜の街
    界隈について
    界隈について

    クジラ夜の街

    界隈について

     2024年11月6日に“クジラ夜の街”が、メジャー2ndフル・アルバム『恋、それは電影』をリリースしました。今作には、映画『この動画は再生できません THE MOVIE』挿入歌の「Saisei」や、崎山蒼志とのコラボ共作「劇情」などを含む全12曲が収録されております。    さて、今日のうたでは“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「 ホットドッグ・プラネッタ 」にも通ずるお話です。現代の音楽の楽しみ方とは、音楽への向き合い方とは、考えてみたとき自身が今思うことは…。 「影響を受けたCD」のジャケットを何十枚も並べてSNS載っけてみたり ロックフェスに出るアイドルをコケにしたり おすすめの若手バンドを紹介するYouTuberを冷笑したり 流行りのポップスをあえてディスってみたり ライブ鑑賞直後、余韻そっちのけで、セトリとレポ書いて投下したり 他人のプレイリストを密かに値踏みして比べっこしてみたり 音楽をファッションとして、自己顕示欲を満たしたり 逆にそれを馬鹿にすることで悦に入ってみたり   ジャンルマウント、冷笑合戦、ロック論争、みたいなもので入り乱れ。 いつの世もそうなんだと思いますが 今は更に、若いリスナーたちの、音楽を巡る“カオス”が極まってきてるなーと思います。   「何を聴くか」ではなく 「何を聴いてる自分を承認してもらうか」 というポーズを取るファンに向けて あるバンドマンは 「自分の好きな物を好きでいろ」 「誰にも指図される筋合いはない」 「他人の意見に縛られるな」 と警鐘を鳴らしたりもしていますが   この情報社会で、誰の目も気にせず自分だけのブームを自分だけのペースで愉しむのはどうやら難しいようで 音楽という 形のない、正解のない、感性だけを信じるしかないモノを前にして 人は人と繋がらずにはいられない、ぽいのです。 分かち合わずにはいられない、ぽい。   誰かに認められて初めて 自分の「好き」を自覚する 割と多くの人がそんな感じ。 ライブでもそう。 周りの人がサビで手を上げたから、手を上げて、間奏入ったら、手を下ろす、みたいな。   さて こういう状況、に対し、俺も 今まではなんとなく 間違ってる、とか もっと自由に音楽を楽しむべき、とか 自立しろよ、とか 自信持てよ、とか 適当にポコポコ思ってたんですが よくよく、よくよく考えてみたら       別にマジで なんでも良いじゃん       と、なりました。 本当になんでも良かった。 そもそも、音楽との向き合い方についてアレコレ説教できるほど偉くないし。 でもって仮に、自分が権威ある大物アーティストだったとしても リスナーたちに向けて 「もっと自由に音楽を楽しめ」なんて、とてもじゃないけど言えないなって思います。   だって我々はすでに、圧倒的に自由だ。   何したって良い。 どんなふうに向き合っても。 音楽=ファッションだろうが 音楽=ステータスだろうが 音楽=人と繋がる手段だろうが 全てはそれぞれが勝手に決めること。 勝手に決めていいこと。   誰にも咎められない。   曲の聴き方だって問わない。 倍速で聴きたいならそれで良いし。 15秒尺永遠にリピるのが気持ちよければそれで良い。 あなたの生活を彩るためのBGMにしてもらっても良いし。 可愛く踊りをおどるためのツールでも良い。 そんでそれを巡ってまた対立や論争が起こったって良い。 各々の美学をぶつけ合えば良い。   どんな風に音楽を楽しむのも、全権はあなたの手中にある。 だから 「自由に音楽を楽しむために」なんて言って全員一律整えてく方が、よっぽど不自由。 今のこのカオスが一番健全なんです。 この状況こそが、自由。 その上で俺は 例えばこういう風に聴くと良いよとか ライブはこうすると楽しいよとか 参考程度にお伝えする。 従っても従わなくても良い。 今後、そういう風に、この界隈と向き合っていこうかなと、なんとなく思い直したわけです。   「ホットドッグ・プラネッタ」って曲は こういう目まぐるしい環境にて 自分の「好き」を見失ってしまう人の気持ちを歌いました。 この曲においてはそのテーマが“バンド”ですが 好きだったモノがだんだんと、わからなくなってしまう気持ち、全体のことを歌っています。   正解はないので、聴いてみてください。 強いてひとつ言うなら これはサウンドや場面設定に反して 全くファンタジーな歌ではありません。   < クジラ夜の街・ 宮崎一晴> ◆紹介曲「 ホットドッグ・プラネッタ 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャー2ndフル・アルバム『恋、それは電影』 2024年11月6日発売 配信リンク: https://qujilayolu.lnk.to/sothisisloving <収録曲> 1. SHUJINKO 2. きみは電影 (Prelude) 3. ホットドッグ・プラネッタ 4. 雨の魔女 5. 失恋喫茶 6. 劇情 7. 星に願わない 8. End Roll 9. 出戻 (Interlude) 10. Saisei 11. それだけ 12. せいかつかん

    2024/11/11

  • ツチヤカレン
    知らない女の子と盛り上がって飲み明かした夜。
    知らない女の子と盛り上がって飲み明かした夜。

    ツチヤカレン

    知らない女の子と盛り上がって飲み明かした夜。

     2024年11月6日に“ツチヤカレン”が新曲「ガールズトーク」をリリースしました。自分と他人の恋愛観や経験を比較した時に誰もが感じる想いなどを“ガールズトーク”として描いた楽曲。これまでにないポップなアレンジが施されたキャッチーなサウンドとなっております。    さて、今日のうたではそんな“ツチヤカレン”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 ガールズトーク 」にまつわるお話です。ある夜、一緒に飲んだ女の子。お互いにまったく違う価値観だったのに、充実した時間を過ごせたのは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 わたしは一人でも外に飲みに出ることがあるのだけど、気づいたら知らない女の子と盛り上がって飲み明かした夜があった! 酔っ払うと記憶がざっくり無くなる体質なので、後半戦はほとんど覚えていないけれど、恋話からテンションが上がりとにかく楽しかった。   そのバーで仲良かった店員さんもやめてしまったと人から聞いて、多分もう行くことはないし、LINEも交換しなかったので今後もう会うこともないのだけど、あんまり気の知れてない人だからこそ、つい話しちゃったりすることもあるよな~なんて、時間が経った今わたしは思うのでした。   距離の近い人にはわざわざ言わないこととか、やっぱり仲が良くても気を使う部分があったりして、今後のことを考えると言えなくなってしまうこともあったりする。 「本人に言えばいいじゃん」なんて正論だけど、なかなかそうはできないこともあって。   だから、よく知らない優しい人に愚痴を聞いてもらったり相談乗ってもらったりすることが、リフレッシュになる夜もあるのだ。 わたしは、自分自身が正しいと思うやり方でハッピーな日を1日でも多く過ごせたらいいのだと、常に心に言い聞かせている。   そんな彼女とした恋話は、真逆なくらい理想が違ったのだけど、お互い“そういう考え方もあるよねー!”とか“その発想おもろ!”という下地があるから安心していろんな話ができた。   「類は友を呼ぶ」という言葉があって、その通りだなと思うこともある反面、全く違った価値観を認め合える関係性ってすばらしい!と、「ガールズトーク」という曲に閉じ込めました。   ガールズトークって基本「わかる~」の嵐な気がして、どこか孤独を感じる瞬間があったけど、違いをポップに会話できるのって最高だな~と思います。   最近のわたしは、あんまり外に前向きに出る気持ちが湧かず、部屋でNetflixばっかり見てるので、「こんななんもしないでいいのかなあ...」と焦ったりもするけど、今はそれが正しいハッピーの作り方なら、いいかなと思うようにしてます。笑 また、外に出たくなったら出て、新しい出会いに期待したりして、楽しい日々を送っていきたいですな! わたしの曲を聴いてくれているみんなにも幸あれー!   <ツチヤカレン> ◆紹介曲「 ガールズトーク 」 作詞:ツチヤカレン 作曲:ツチヤカレン

    2024/11/08

  • さとうもか
    微生物も大変
    微生物も大変

    さとうもか

    微生物も大変

     2024年10月30日に“さとうもか”がニューアルバム『ERA』をリリースしました。「時代」を意味する『ERA』と名付けられた今作には、今年30才になったさとうもか自身が今感じている葛藤や心境の変化が詰め込まれております。NHK岡山放送局の夕方のニュース番組『mogitate!』エンディングテーマとなった「Peach Perfect」をはじめとした全14曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“さとうもか”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!第2弾は、収録曲「 生活は大変 」にまつわるお話です。宇宙にとっては微生物ほどに小さい人間。だけど<私>を拡大してもらうと見えてくる忙しなく大変な生活。そのなかで自身が大事にしている、とある“トクベツ”とは…。 自分のことを宇宙規模で見つめると、あまりにちっぽけに感じて座り込んでしまいそうになる。 小学生の頃、顕微鏡でみた微生物ぐらいちっぽけなんじゃないだろうか。   だがしかし、宇宙から東京のとある街の一室まで拡大してもらうと、微生物のような私が一丁前に忙しそうに生活している姿が映り込むだろう。   私の日常は、大体何らかの締め切りや家事に追われ、でもたまに遊びたくて、でも寝る時間も必要だし、漫画も読みたいし、お風呂にも入らなきゃ…という感じで、気づいた時にはささやかな予定で埋め尽くされている。 年齢や立場は関係なく、きっとそんな日々を送ってる人は多いんじゃないかなと思う。   宇宙から見た微生物こと私も、たまに生活の中で落ち込んだり疲れたりすることがある。そんな時はちょっとした気分転換をするようにしている。 私が時々自分の気分を上げる時にやるのは、大体決まってウーバーイーツで大きめのコーヒーとデザートを注文する事。 ウーバーイーツは少し高いから普段は悩ましい気持ちになるけど、そういう時は迷わず頼んでもいいという事にしている。しかも家で簡単に淹れられるコーヒーをわざわざ頼むってのもなんかいい。 そして飲み終えると、そのカップに家で淹れたコーヒーを追加して、はい、お店気分。というのをよくやっている。なんて貧乏性なんだろう。 書きながら少し恥ずかしくなってきたけど、これは是非おすすめしたい。   ここまで書いていてふと思ったけど、もしかすると小学生の頃に顕微鏡で見たあの微生物たちも、それなりにタスクを抱えたり楽しみを持って生きていたのかもしれない。 宇宙からみた人間がこんなに忙しいのだから、きっとそうだと思う。   というわけで、人間の皆さん、そして微生物のみなさん。 シャンソンテイストで日常を描いた愉快な曲「生活は大変」、一度聴いてみてください。 <さとうもか> ◆紹介曲「 生活は大変 」 作詞:さとうもか 作曲:さとうもか ◆ニューアルバム『ERA』 2024年10月30日発売 <収録曲> 01. 生活は大変 02. りとる革命 03. Everyday 04. チェーン・オブ・ユース 05. No massage 06. Dear stranger 07. Misty blue 08. 未完の小説 09. Peach Perfect 10. ネオン 11. オーロラ 12. 旅 13. ERA 14. 予定   

    2024/11/07

  • a flood of circle
    <退屈>の皮膚に包まれたままでは気づけなかった<骨>を発見した。
    <退屈>の皮膚に包まれたままでは気づけなかった<骨>を発見した。

    a flood of circle

    <退屈>の皮膚に包まれたままでは気づけなかった<骨>を発見した。

     2024年11月6日に“a flood of circle”がニューアルバム『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』をリリースしました。今作の収録曲「虫けらの詩」、「WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース」、「ひとさらい」、「Eine Kleine Nachtmusik」、「D E K O T O R A」の5曲は、共同制作者に高野勲を迎え福島県の山小屋へ機材を持ち込んでプリプロからレコーディングまでを行なったとのこと。全11曲入りとなっております。    さて、今日のうたではそんな“a flood of circle”の佐々木亮介による歌詞エッセイをお届け! アオキテツ(Gt.)が作詞作曲を手掛けた収録曲「 11 」にまつわるお話です。ひとつのフレーズ、ひとつのワード、隅々まで丁寧に想像し、じっくりと読み解いていただきました。ぜひ歌詞と併せて、最後までエッセイをお楽しみください。 アルバム『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』にはアオキテツ作詞作曲の「11」という曲が入っていて、これが聴き所です。   他10曲は全て佐々木亮介の詞曲(ただし「ゴールド・ディガーズ」にはストレイテナーのホリエアツシさんが、「キャンドルソング」にはASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんが、それぞれプロデューサーとして作曲に関わってくれました。わーお)なので、「11」の存在を嬉しく感じてもいます。   アオキテツの書いた歌詞を読んで連想したことを書き連ねて、今回のエッセイということにしたい。   ーーー   過去には佐々木亮介とアオキテツとで書いた「LUCKY LUCKY」という曲があるんですが、この歌詞は二人で意見を交換しながら一緒に作ったものでした。   テツが書いた詞だけで完結させた方が作品としての純度は高いんじゃないか。そんな気もしたけど、当時は彼が新しいメンバーとしてバンドに入ったばかりのタイミングだったという事情もあって、それまでa flood of circleをやってきた自分の感じと混ぜてお互いにとって新たな形を作ってみようか、という実験の気分で共作した訳です。 つまり曲を作るだけじゃなくてバンドを作り直すような作業でもあった。   時は経ち、バンドは概ね形が完成してしまい、「11」はアオキテツ単独での作詞です。 テツの表現の面白さが純度高く表れている曲になっていると思います。   さて、一緒に作っていない分、歌う前にヴォーカルとして、聞き手と同じように「詞を読む」行為が生じます。 曲の解釈は受け手の自由。これよく聞く言説ですね。 そりゃそうだと思う。 だからテツに説明を求める意味もつもりも無いし、勝手なイメージを広げています。 まあ、そうは言っても、実際に歌う時は音や言葉に対してシンガーとしての反射神経で歌っているだけというか、要はあんま何も考えてないんですけどね。   改めて「11」の歌詞をどう読み得るか、書き出してみる。   ーーー   まず「11」というタイトル。 「イレブン」と発音します、とテツが言っていました。 これに既に彼のキャラクターが2点表れている。   1点は、可読性が低いというんでしょうか。パッと見て発音が分からないタイトルを好む傾向が彼にはあります。   以前リリースした『HEART』というミニアルバムがあって、これはメンバー4人それぞれが作った曲で構成するという挑戦作だったので、タイトルも自分で決めずに彼に決めてもらったんですが…彼はその発音にまでこだわっていました。   『HEART』は英語発音でもなく「ハートマーク」と発音する時の「ハート」でもなく、野球の「サード」と同じっていうかB'zの正式な発音と同じっていうか「狂気」と同じ発音の「HEART」...あれ、逆だったかな、忘れました。とにかくアルバム・タイトルの正式な発音というものまで設定していたんです。   いずれにせよそれって文字を読んだだけでは伝わらないことで。例えば本人がラジオ出演の際なんかに発言することで初めて他人に伝わる細やかな情報ですよね。 彼にはそういう細やかさがあるんです。   もう1点は、タイトル見たままですが、ぶっきらぼうであること。   サビの歌詞に<Star>という言葉があるように、当初デモの仮タイトルは「Star」だったんですが、a flood of circleには「STARS」という曲が既にあるので、もう少し違うタイトルを考えても良いかもねという話から、彼は新たに「David Bowie」というタイトルを提案してくれました。   音楽的にDavid Bowieの曲を元ネタにしているという訳じゃないと思うんですが、しかし残念ながら権利関係の問題からレコード・レーベルによるNGが出てしまい、改めてタイトルを考える必要が出てきてしまって。   そこで彼が次に提案してきたのが「11」。 アルバムの曲順を決めたタイミングだったので、タイトルの由来はこれが11曲目だったから、でしょうね。 面倒臭いだけだったと思いますが、でも雑なやり方の中にだけ生まれるチャーミングさも大事にしているかも知れない。   細やかとぶっきらぼうのバランスの具合に、その人らしさが表れるっていうのはありますよね。   ーーー   さて、歌詞を読みます。     凪混じる街 退屈はダチ 赤終わる頃 夜明けの轍   まだどこの<街>かは分からないけれど、<凪>ということは海か水辺が近いのだろうか。 愛と勇気だけが友達というスターもいる訳だけど、この歌の主人公は暇そうで、そして自分がいる街自体に飽き飽きしている印象も受ける。 街に飽きると言っても、実際に凪を感じられる場所だとすればそれはビル群があるような都会暮らしに疲れてしまう感じとは違う。 片田舎で燻っている状態、という方がしっくり来る。   <赤>が示すものは微妙だ。 その次に<夜明けの轍>と来るから<赤>は朝陽の光と連想してしまうけど、いや夜明けの太陽だとすると<終わる頃>じゃなくて<始まる頃>になりそうなものだし。 だからこの<赤>を、風景描写でなく、<退屈>への苛立ちを抽象的に表すものと捉えてみる。   擬人化された<退屈>は<ダチ>と呼ばれるほど親密な存在だけど、あまりに近しい関係の者というのは、その良い面と悪い面の両方に触れざるを得ない。 <ダチ>にはそういう腐れ縁のようなニュアンスが混ざっている。 そしていよいよ悪い面ばかり目について苛立っているんじゃないだろうか。   言葉だけではなくバンドサウンドとの関係を考慮すると、パワーコードと呼ばれる和音を使ったシンプルなギターの響きとも相まって、<赤>は古いギャグ漫画によく登場する単純化された怒りの記号としてのそれのように、浮かび上がる血管、赤い血の流れも連想させる。 彼はこのまま<退屈>くんとこの<街>で心中する訳にはいかないと焦っているのかも。   逆恨みのような、情熱のような、心に燃えている苛立ちの<赤>い火は<夜明け>になってやっと鎮まってくる。 その火は冷めて消えてしまったというより、夜明けを機に<街>を出ようという決心に昇華されたのかも知れない。 <轍>とあるから、今度こそ太陽の明かりが登場して、差し込んでくる陽光を抽象的な道標のように捉えているような。   ここではいくつか押韻している。 最初の2つは頭の<凪>と<退>で母音「あい」が揃っているし、後ろは<街><ダチ><轍>として軽快なリズムを大事にしている感じ。 かと言って3つ目の<頃>までは揃えない。 それによって生真面目すぎない感じが出ているというか、堅苦しさを感じさせない効果が生まれている気もする。       チャイナの声がやまない こびりついたまま 前髪あげて ジャリ銭持って行こう   唐突な<チャイナ>。 近所に中華街でもあるんだろうか、中国出身の知り合いでもいるのか。 まずRed Hot Chili Peppersの「Californication」を連想した。 かの曲では冒頭から<Psychic spies from china>と歌い出し、それが掴みとしても面白い。 その後に登場する<Dream of Californication>というビッグなコーラスには、言葉通りアメリカンドリームの黄金に煌めくようなイメージが宿っている。 しかし曲全体としてはアメリカンドリームという幻想、引いてはカリフォルニアという地域ががもたらす影の部分が押し出されていて、枯れた/疲れ切ったような印象を強めている。 だからこの<China>はアメリカと中国にある国家間の政治的な緊張みたいなものも想起させるし、でも言葉遊びとして扱う面白さも同時に感じさせてくれる。   では「11」の<チャイナ>はどうだろう。 この後の詞は最後まで日本という国家について思いを馳せるようなシーンはないし、突飛さという点で「Californication」的ではあるけれど、政治的なことを連想させようという意図はなそうな気もする。   <声がやまない><こびりついたまま>ということは、<声>は主人公に重大な影響を与えるものなんだろう。 それが良い影響なのか、プレッシャーになるような影響なのか、それらが混ざっているのか、まだ判別できない。   詞から距離を取って、アオキテツという作家を俯瞰で見つめると、<声>は彼の影響元として大きな存在であるチバユウスケさんの歌声とも連想できる。 もちろん筆者にもa flood of circleというバンドそのものにとっても、切り離せない大きな存在だし。   チバさんの作に「ハイ!チャイナ!」という曲があって、これを連想するのがシンプルで自然かも知れない。 <吐いちゃいな>と駄洒落を言ってるだけのようで、本音を吐くこととか、生理的な拒否反応を肯定するような感触がある曲だ。   <前髪あげて>、まずは形から憧れの真似をしてみる少年の様子が浮かぶ。 でもこの主人公は苛立ちを抱えながら<街>を出る決心はついていて、背伸びせずかと言って後先を考え過ぎもせず、手持ちの<ジャリ銭>だけで飛び出してしまう。 きっと自分の本音に従うために。       Star ボロ見せない 相槌のウィンク Star 果てはクズさ ロックのゴッコ遊び    最初の<Star>は憧れそのものについて書いている感じ。 2つ目の<Star>はそれに投影した自分自身を自嘲的に書いている感じ。 録音したヴォーカルは<相槌>を「相」で切って歌っていて、それは単語を情報として伝える手段としては聞き手に対して不親切なんだけど、この主人公が歌で発しているものは情報ではなく感情だろうから、これで良い。 そのようなぶっきらぼうさ、もしくは怠さがこの歌には合っている。 そしてこの後が特に面白い。       カクタスの群れ ヒマワリの種 チキリヤの前 何かの骨か?   パッと掴ませてはくれない。 <カクタス>はそのままだとサボテンのことか、でもこの<カクタス>は生き物のように<群れ>ている。 サボテンと言えばトゲがあるから、それが複数で<群れ>ていると考えると、被害妄想気味の自嘲や、もしくはここに描かれていない他人からの抑圧のようなものもあるのかも知れない。物理的な痛みじゃなく自意識のトゲ達に心が苛まれているイメージだろうか。   <ヒマワリの種>は小動物が食べるような可愛さもあるけれど、盛夏の太陽に向かって伸びていく希望的な花の<種>をこっそりポケットに入れて持ち歩いている、というイメージが湧いた。   <ヒマワリ>は背が高く、咲くと空を見上げる人間のような形に見える。 歌詞に花を登場させてその花言葉の意味も詞に織り込む、というのはたまに聞く手段で、自分はあまりやらないし他人の歌詞を見てもわざわざ花言葉を調べるなんてことは特にしないのだけど、試しにヒマワリを調べると…。まず「光輝」という如何にもな言葉があり、そして「あなたを見つめる」という言葉もあった。 自分を見つめようとしている主人公にはしっくりくる花言葉かも知れない。 ところで花言葉ってなぜか美言ばかりでなく仄暗いものもあって、それ要る?といつも思うんだけど、ヒマワリには「偽りの愛」という言葉もあるそうだ。 <ヒマワリの種>が「光輝」に育つか「偽りの愛」に育つか今は分からない。   次の<チキリヤ>、自分は初めて聴くし初めて読む言葉だ。 パッと見カタカナだし主人公のささくれた気持ちを想像すると、密告者がチクる、とか、関西弁のイキる、とか、なんとなく響きの似ている尖った言葉を連想したんだけど、うーん、関係なさそうだ。   <チキリヤ>をグーグル検索すると、京都の着物屋がヒットした。 漢字では千切屋と書くらしく、屋号に千切、ちぎりという言葉が入っている。 ちぎりを契りと読むと誓いとか覚悟の意味も連想できなくはない。 でも読み進めるともっとシンプルなヒントが与えられることになる。 この詞の後で<山科>という決定的で具体的な京都の街の名が登場するのである。   それを踏まえて<チキリヤ><山科>で検索すると、今度は生花店がヒットする。 なるほど<カクタス><ヒマワリ>これらは花屋の店頭の描写だったのかも知れない。 と、納得しかけたところで突然<何かの骨か?>という問いかけが発せられる。 これが一番分からなくて、面白い。 <チキリヤ>が花屋だとしたらその店の<前>の道に<骨>みたいなものが落ちているのが目に入ったけど実際は何だか視認できない、という不思議なシチュエーションだろうか。   <骨>、白く硬質な別の何かと見違えたのか、意図的に何かに見立てているのか。 分からないが、<骨>は死を連想する言葉でもある。 死を見ている。 主人公はその<骨>みたいなものを拾っただろうか。   人生には確かめようがないことがいくつもあって、自分自身のことなのに分からないことも山程あるし、他者や社会や世界や宇宙のことなど言うまでもなくほとんど分からない。歩き出した主人公はただ<退屈>していた頃と違って視界が冴えて、<退屈>に感じていた<街>にも実はまだ分からないことが転がっていると気づいたのかも知れない。 細部に気づけるようになっているということだろうか。 細部が大事だという意識は後半にも改めて登場するし、この歌詞の重要なメッセージの一つとも言える。   本当はただ作者が花屋の前を通りかかった時に<骨>っぽいものを見かけてドキッとした、という不思議なエピソードを詞にしただけかも知れないんだけど。 謎が詞を面白くすることは確かだし。   音としては、1番でちゃんと押韻している分、2番では押韻がないことで乱雑な印象になっていて、その対比が主人公の整い切っていない心の状態を際立たせているようにも思える。       義眼のジギー 醒めないまだ夢の中 夜な夜な見たぜ 山科の辺りで   <義眼のジギー>はそのままDavid Bowieだろう、『Ziggy Stardust』。 BowieがZiggyに変身したアルバムだ。 変身して物語を生み出すことで聴衆を巻き込んだアルバム。 <義眼>であることも変身のイメージを強める。 Bowieには<山科>に住んでいたという都市伝説があるそうだ。 かと言って主人公が<山科>にいたBowieを実際に目撃したとは思えない。 <見たぜ>という言い方にあるのは確信というより嘯くニュアンス。 <見た>のはあくまで<夢の中>。 主人公は今、自身が変身しようとしているから、見ようとして見てしまったのかも知れない。 肝心なのは現実に<見た>か否かよりもそれが<醒めない>ことだ。     Star ドア蹴飛ばせ ボッチでマスカレード Star どぎつい目で 魔法が解ける前に   <Star>に<蹴飛ばせ>と命令している。 それはある個人というよりロックスターとされる全ての人に宛てた命令という気がする。 夢を見せたからにはガッカリさせてくれるな、という生意気な命令を祈りのように投げている感じ。 そしてそこに自分も投影している。 <マスカレード>は、<ジギー>が変身の象徴であることと連結している。 <どぎつい目で>血眼になって変身の術を探し求めている。 <義眼>は作り物であって視覚がないはずだけど、眼ではあって、まるで第三の目のように見えないものが見えるんじゃないかと夢想させる。   本物ってなんだろうか。 「ゴッコ」のままの人と、<ボロ見せない><マスカレード>で変身を果たせた人の違いはなんだろう。 いやそんな違いは幻で、本当はどんなロックスターもただ生身の人間でしかない。 <魔法が解ける前に>主人公も自分の生き方を発見しようとしている。 憧れの真似で済まされる<少年>の季節は短い上に、とっくに過ぎ去ってしまったんだから。     ベロの位置とか分け目? そんなチャチな事も アンテナ張れよ 知らねぇじゃ済まねぇぞ   神は細部に宿るという。 視界が冴えている今では、主人公は道端の<骨>に気づくだけでなく、自身や他人の<チャチ>な細部にまで目が向いているようだ。 ちなみに自分は、神は大雑把さに宿る、といつも感じている。 だからこの詞に共感している訳ではない。 詞を読むことは共感の作業でなく、自分の読み方を創作していくことに近いと思う。 作者や詞を理解するなんて到底無理だし必要もなくて、作者と詞を通して、自分が表れてくることが面白いと感じる。     Star 愛してるって  いけしゃあしゃあとまだ Stone 果てはクズさ ロールは続いてくよ Star ハリボテじゃねぇ Star 今だけは嘘じゃねぇ   <愛してる>はスタンダードな言葉だが、歌詞として使うにはハードルが低く、でも日常会話の中で使うにはハードルが高い、I Love Youの翻訳として無理矢理日本語に存在させられているようないびつさもある。   それを<いけしゃあしゃあとまだ>と攻撃する先には、同時に2つほど宛てを感じる。 1つ目は<Star>に対して。そんな恥ずかしい言葉をさも素晴らしいもののように響かせるスター達の振る舞いに対する、簡単に言ってくれやがってとでも言うような、嫉妬。 主人公が嫉妬できるということは、<Star>は何者かになろうとする自分にとってある種ライバル視すべき相手になっているということだろう。   2つ目は自分に対して。ライバル視さえするようになっているんだから憧れに対して<愛してる>とだけ言っている場合じゃないという焦りの感覚、その余裕がない自分への苛立ちとも取れそうか。   ここで一度きり<Stone>が登場する。 次に<果てはクズさ>とくるから<Stone>はスラングとしてハイになることかなと一瞬思うし、そうなると<カクタス><ヒマワリの種>がハイになるために摂取するための何かで、<Stone>してしまって<骨>のような謎の物体を幻視してしまったという流れだったのかな、とも思った。   が、ここはもう少しシンプルに、その後の<ロール>に続けるための<Stone>と捉えておく。 <ロール>するのは石、というのはロック・ミュージックの、まさに定石だから。 もし<Stone>の箇所を<Star>にすると同じ言葉が4回繰り返されることになるから、あえて変えたのかも知れない。 繰り返しは聞き手に印象深さを与える時もあるが、単に飽きてしまうこともあるし、変化のさじ加減には書き手のセンスみたいなものが表れる気がして興味深い。   <ゴッコ>だった主人公は、まだそのコンプレックスも引き連れながら、<今だけは>違うと言い聞かせる。 自分が踏み出したことで、スター達も生身の人間なんだから彼らも昔は<ゴッコ>から始まったのかも知れない、という肝心な部分、<退屈>の皮膚に包まれたままでは気づけなかった<骨>を発見した、という感じもする。 そのことは彼を勇気づけ、同時に脅かす。 それが<今だけ>の儚いものだったとしても<ハリボテじゃねえ>ことを自ら示さねばならないから。 生身の自分にも出来る気がしてくるし、でも遠い<Star>だけが成せる業なんじゃないかという疑念は消えない。   ーーー   と、このようなことを考えて歌っている訳ではありません。 今日のところはこう思ったという話です。 11月から始まる『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』のために行う30本くらいのライブツアーを通して歌うたびに、自分の人生が進行してしまうたびに、一つ一つの言葉とかその連なりが深まったり違う意味を持ったりしていくんだと思います。 なんて言って、しつこいですけど歌う時は正直あまり考えていません、大体酔っていますし、悪しからず。 ただし一生懸命やっているのは本当です。 ぜひアルバムを買って、ツアーのチケットを買ってください。 よろしくどうぞ。   <a flood of circle・佐々木亮介> ◆紹介曲「 11 」 作詞:アオキテツ 作曲:アオキテツ ◆NEW ALBUM『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』 2024年11月6日発売   <収録曲> 1 WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース 2 虫けらの詩 3 ゴールド・ディガーズ 4 ひとさらい 5 Eine Kleine Nachtmusik 6 D E K O T O R A 7 ファスター 8 キャンドルソング 9 ベイビーブルーの星を探して 10 屋根の上のハレルヤ 11 11

    2024/11/06

  • Czecho No Republic
    悪い夢の中で目覚める。
    悪い夢の中で目覚める。

    Czecho No Republic

    悪い夢の中で目覚める。

     2024年11月1日に“Czecho No Republic”が9thフルアルバム『Mirage Album』をリリースしました。すでに配信リリースされている楽曲や新曲など、“Mirage”というタイトルの通り幻想的で色とりどりの輝きを放つ全14曲が収録されております。また、2025年1月11日の大阪・Live House Animaから3月1日の宮城・ROCKATERIAまで、全8公演ツアー開催決定!    さて、今日のうたではそんな“Czecho No Republic”の武井優心による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今現在、作詞について考えていること。そして今作の収録曲「 Bad Dreams 」にまつわるお話です。歌詞だからこそ生まれたフレーズ、物語とは…。ぜひ楽曲と併せて、エッセイをお楽しみください。 作詞、難しいです。いまだによく分かってないですね。 まず自分の考えとか体験談から歌詞が生まれるんだけど、どこまで私物化して良いのか分からない。やっぱり読んだ人が共感を得られるものじゃないとオナニーで終わってしまう。でもオナニーの何がいけないんだと己の中の小さなパンクスが脛を蹴ってきたりもする。   詩的な表現に憧れたりもする。時々自分に酔ってそんな言葉をパズルしてみたりする。だけど基本的にやはり格好つけたくないので誰にでも分かる簡単な言葉だけを簡単に使いたい。そこにセンスが垣間見えないとつまらない。韻を踏むのは気持ち良いけど使いすぎるとダジャレみたいでくだらなくなる。伝わらないと悲しいけど伝えようとしすぎると鬱陶しくなる。   普段あまり本を読まないので会話の延長みたいな歌詞を書きたいというのは多分昔からある。話し言葉っぽい歌詞。それが1番自然な気がする。変な言い回しとか、普段足されることのない言葉の組み合わせが好きだったりする。   そういう言葉が沢山見つかると作詞って楽しいなってなる。あとは響きに釣られて書いた英詩とかが、勝手に物語を作っていくパターンもある。   今回、「 Bad Dreams 」という曲のサビで<Awake in Bad Dreams(悪い夢の中で目覚める)>という歌詞がある。本当は<Awake from Bad Dreams(悪い夢から目覚める)>にしたかった。どうやってもメロにハマらないから前者になった。でも後々考えていったら悪い夢の中で目覚める方が面白いなと思った。悪い夢の中で一瞬目覚めるけど、また何事もなかったかのように悪い夢に戻っていく。   綺麗事全部抜きで言わせてもらうと人生ってそんなもんじゃない?って思う。人生素晴らしいとは思うけど、自分はつまらないなと感じる時間の方が多いし、なんなんだこの人生は!と怒りに溢れる時もある。でもそんな日々の中でケタタマシイ光量を持った美しい出来事や感情が生まれる日がある。そんな日がたまにあるのが人生だと思う。それが悪い夢から目覚める瞬間。そんなのは数時間経ったら薄れていく。また悪い夢の中だ。   言葉がハマらなかったばっかりにこんな歌詞世界に辿り着いた。 歌詞じゃなかったらこの展開にならなかったと思う。使える言葉数の制約があるから楽しいし逆に書けるんだと思う。先生の監視の目があるからこそ修学旅行の夜の時間は果てしなく楽しかった。今現在、歌詞について思うのはそんなところです。またすぐ考え変わると思う。以上。   <Czecho No Republic・武井優心> ◆紹介曲「 Bad Dreams 」 作詞:武井優心 作曲:武井優心 ◆9thフルアルバム『Mirage Album』 2024年11月1日発売 <収録曲> 1 Introduction (Into The Bad Dreams) 2 Bad Dreams 3 Go!Go!Juliet 4 Psychedelic Night 5 Happy Birthday 6 Friend 7 emotional girl 8 Hope 9 STORY 10 Pony Bambi 11 Life To Me 12 Wonderland 13 Journey 14 Bad End

    2024/11/05

  • みゆな
    抱きしめること
    抱きしめること

    みゆな

    抱きしめること

     2024年10月2日に“みゆな”が新曲「あなたに抱きしめて」をリリースしました。同曲は、飯豊まりえが主演のドラマ『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~Season2』主題歌です。みゆなの繊細で美しくも力強さを感じる歌声が、ドラマをより一層盛り上げ、その世界観で多くの人を魅了させる楽曲になっております。    さて、今日のうたではそんな“みゆな”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲「 あなたに抱きしめて 」にも通ずる【抱きしめ合うことが一番の愛と平和だと思う理由】のお話。自身が身をもって感じた「ハグ」の力とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 こんにちは、みゆなです。 何度か歌ネットさんでエッセイを掲載させていただいてますが、今回も目を通してくださっている皆様、ありがとうございます。   先日のエッセイは 【抱きしめられた時それがもたらす影響について】 でしたが今回のお話は、 【抱きしめ合うことが一番の愛と平和だと思う理由】 について話したいと思います。   あれれ、制作秘話でも小説の様なそうじゃない様なやつでも無いんだと思った方もいらっしゃいますよね(先週のエッセイのps.に書いた為)。 最初はその予定だったのですが、文章を考えながら、このテーマで話そう!と大きく方向転換したので私自身も戸惑っております笑。   なぜ私がこのお話にしようと思ったかというと、 私は17歳で音楽の世界に入り現在22歳。 まだ5年ですが来年小学校卒業するのと同じ。 顔も背丈も体重も性格も成長し、 当時は重いと感じていたランドセルも軽くなり、 それより重いギターケースを背負って歌ってきた自分をまず誉めようと今思いました。   というのはさておき、 その5年間スタッフさんをはじめ、お仕事で出会った方々に私は「ハグ」をよくします。 ちょっとやばいやつかもと思った方! それもそれで正解です!   ことの発端は、初めてのステージに立つことへの恐怖心からでした。 地元・宮崎の家の部屋に篭り、毎日歌い、ギターを弾いてきた私が突然(物理的だけではなく精神的にも)大きなステージに立つこと。 それは、「人の顔をジャガイモだと思って」が耳に入って来ないくらい怖いことでした。 「求められる」ことに慣れていないからこそ、 0人だったらどうしよう。と考えながらステージ袖で震えていました。   その時、学生の頃に陸上部だった私はリレーメンバーと円陣を組んだことを思い出しました。 頑張ろうねと応援してくれる仲間がいる。 みんなの熱を肌で感じて、 頑張ろうと更に熱くなれる自分がいる。 円陣がなかったらきっと全国大会には行けなかった(その後アンカーの私は思いっきり転け、予選敗退。笑)。   人の熱に触れる。それは心の解放。 (細かいことは先週のエッセイに書いてあります) だけど程よい緊張感を残し、余計な混乱や焦りを解き放ってくれる。 本当に「ちょうどいい」ものだけが残る。 これをステージ袖でしてみよう!と私は思いました。 マネージャーさんと私しかいない中、円陣を組むのは謎の羞恥心があったので「ハグ」をしようと思いました。 今、緊張しているのは自分しかいない。自分自身とハグできないからハグをする。という自己満足のために行ったことでした。    なのにマネージャーさんは私と同じ熱と緊張感を持っていました。ステージに出るわけではないのに。   私は「独りじゃない」ことをここで知りました。   リレー以外に100m走も並行していた私は、リレーと違って、これは自分だけとの戦いだと思っていました。 「独り」だと。 大きな声で応援してくれる家族や仲間、私と同じ様に戦ってくれていたのにそこに気づくことができませんでした。   マネージャーさんとハグをした後、全力で楽しむことができました。 みんなで作ったライブだった。 そこから私は色んな人とハグをする様になりました。 5年前の感情とは違う。 みんなで想い合って、みんなで作っているから。   もちろん今でもマネージャーさんとハグします。 でも今は「弱さからではなく、強くなれた」からハグをする。   大切な5年間でした。   今回は私の経験で得た話だったけれど この世界が   「喧嘩になる前にハグをしよう」   「喧嘩をしてしまってもハグをしよう」   「ごめんねと言ってハグをしよう」   「ありがとうと言ってハグをしよう」   「大好きと言ってハグをしよう」   「寂しくなったらハグをしよう」   「悲しくなったらハグをしよう」   そうすることができたら不思議と笑顔になれる。 この世界が愛に溢れて優しくなれる。   急に話の規模が大きくなりましたが、 人の体温に触れることが何より大切なのだと思ったという話でした。 皆様も是非そうしてみてください。 〇〇ハラとか色んな用語が増えましたが、 ハグをしあえる人とハグをしてみてください。 さすがの私でも街ですれ違った人に、突然ハグをされたら自己防衛します笑(細かいことは先週のエッセイに書いてあります)。   長くなりましたが、 みゆな の新曲「あなたに抱きしめて」 大切な歌が皆様に届いたことが嬉しいです。   「あなたに抱きしめてもらわなきゃいけない。弱さからじゃない。ここにいることを。」   この歌をずっとずっと愛してください。   そして 飲食と考え事と“文章の量”は「適量」で、笑。   みゆなでした。 ありがとうございました。   <みゆな> ◆紹介曲「 あなたに抱きしめて 」 作詞:みゆな 作曲:みゆな 

    2024/11/04

  • 鈴木実貴子ズ
    流されてもいいから「同意してない自分がいる」事を忘れないで。
    流されてもいいから「同意してない自分がいる」事を忘れないで。

    鈴木実貴子ズ

    流されてもいいから「同意してない自分がいる」事を忘れないで。

     2024年10月30日に2人組ロックバンド“鈴木実貴子ズ”が、配信シングル「違和感と窮屈」をリリースしました。鈴木実貴子ズは、ボーカル/アコースティクギターを担当する鈴木実貴子とドラム担当の“ズ”からなる2人組ロックバンド。そんな彼らが、日本クラウン・PANAMレーベルより今作でメジャーデビュー!    さて、今日のうたでは“鈴木実貴子ズ”の鈴木実貴子による歌詞エッセイをお届け!自分はどんな人間なのか。そして新曲「 違和感と窮屈 」の歌詞に込めた想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 まず、ここに辿り着いてくれてありがとうございます。 この文字の場で、「鈴木実貴子ズ」に出会ったあなたに対して、 どうやって印象付けてやろうか、どうやって少しでも興味を持ってもらえるだろうか、どうやって曲を聴くまでの行為に持っていけるだろうか、と。  作家ではない、いまだに音楽を辞めれず、しがみついてるだけの、ただの女である私は、 小さい頭と、下心をフル回転させるのであります。    ※①そして今!中にいるもう1人の自分が「こしゃくだなあ、」と呟いた。 聴く人は聴く!届く人には届かん人には届かん!縁があればラッキー無けりゃ無いで仕方がねェ!! 万人受けする音楽じゃないのは十分承知!    だがしかし、少しでも興味の一歩を踏み出してもらえるように、 まずは、どんな人間が曲を作っているかを知ってもらおうと思います。   時は平成、三重県のとある病院、正午前、産声が聞こえた。 二人の間に、第三子「実貴子」が産まれたのだ。 分娩時間、約2時間、出血量少量、2850gの個体。   母と父はお見合い結婚だった。 当時、母には恋人がいたが親の勧めもあり父との結婚を選んだ、、。 ねえ、この話いる? ミスってる?  「人となりなんか知ったところで聴かん人は聴かんわ!」と声がする。 作家でもない、音楽にしがみついてるだけの、ただの女である私には、このページは荷が重すぎました。   一応、「 違和感と窮屈 」の歌詞のことを言うと、 “生活の中で、どうしても相手に合わせなきゃいけない時とか、流されなきゃいけない時ってあると思うけど、合わせても、流されてもいいから「同意してない自分がいる」事を忘れないでほしい”って想いで書きました。   無駄なあがきを、すみません。 簡単に言いますと、細胞ごと全部、生きる事に集中してますし、 私にとっての生きる事はライブや音楽なのです。 いちいち摩擦を感じながら生活してます。 悲しい時や苦しい時にギターにもたれてないと、やっていけません。 言葉で気持ちを伝える事が苦手です。だから諦めて飲み込む事も多いです。 だいたいの人と話が合いません。ヘラヘラと笑っています。 そんで、家帰って風呂入って布団に入って、涙を拭きます。 そんな人間がやってる音楽です。 そんな人間だからこそ音楽しか頼るところがありませんでした。  是非、少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです!(そして※①に戻る)   ※ちなみに鈴木実貴子の漢字はよく「美」と間違えられますが、気持ちはとてもわかります。 実の兄からの郵便物が未だに「美貴子」になっていたりします。 変換するときに「じつたかこ」で変換するとスムーズに「実貴子」がでるよ! 騙されたと思ってやってみて!(てか、騙されたと思う事をやってみよー!なんて、なかなか思わんよね!失敬!)   <鈴木実貴子ズ・鈴木実貴子> ◆紹介曲「 違和感と窮屈 」 作詞:鈴木実貴子 作曲:鈴木実貴子 配信: https://lnk.to/iwakantokyuukutsu

    2024/11/01

  • さとうもか
    デパコスの向こう側の友情
    デパコスの向こう側の友情

    さとうもか

    デパコスの向こう側の友情

     2024年10月30日に“さとうもか”がニューアルバム『ERA』をリリースしました。「時代」を意味する『ERA』と名付けられた今作には、今年30才になったさとうもか自身が今感じている葛藤や心境の変化が詰め込まれております。NHK岡山放送局の夕方のニュース番組『mogitate!』エンディングテーマとなった「Peach Perfect」をはじめとした全14曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“さとうもか”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!第1弾は、収録曲「 チェーン・オブ・ユース 」にまつわるお話です。「デパコス」という単語ひとつにナイーブになっていたあの頃と、30歳になった今の思考の変化とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! ある日、久しぶりに会った友人たちと話していたら、「デパコス」という単語が飛び交った。なんだそれ。 どうやらそれは“デパートに売っているようなコスメ”のことらしく、当時の私は全く興味を持てなかった。 たしか短大を卒業して、実家を出て新生活を始めた頃だったと思う。   「デパコス」に興味を持っている友人たちは、かつて自分と同じようなものが好きで、きっと何歳になっても共感し合っていくんだろうと思っていた。 でも学生時代が終わってから、なんとなくそれぞれ昔と価値観が変わってきてるのを感じることが増えていき、当時はその「デパコス」という些細な言葉の中に大きなギャップみたいなものを感じて、少し寂しく思ってしまっていた。 みんな変わっちゃったなと思っていたけど、今思うと自分だけ変わってないことに落ち込んでいたのかも。   「 チェーン・オブ・ユース 」という曲の前半が出来たのはそんな頃だったと思う。   私は今年30歳になった。 この曲はとても不思議な作り方をしていて、曲の前半は20代の前半に、後半は今年に入ってから歌詞を書いた。 ほぼ6~7年くらいの長い時を経て完成したわけだけど、後半の歌詞を書いた時は当時と感覚がガラリと変わっていた。   「デパコス」ひとつにナイーブになっていた私だが、2024年になるとその「デパコス」を当たり前の如く使っているし、学生の頃は大切に思っていた“全てを共感できる”みたいなものは必要なかったんだと今では思う。   変わってはいけない、同じじゃなきゃ!という謎のこだわりが鎖みたいに自分を縛っていただけで、それがなくなったとしても楽しかった頃の思い出はなにも変わらず輝き続けているし、なんならその思い出たちがしっかり今を支えてくれている。思い出ってそんなやわじゃないんだな。   当時の友人とは今も遊んだりしていて、それぞれが別々の大人のなり方をしてきたからこそ面白く感じることがたくさんある。 そんな思考の変化の過程を、「チェーン・オブ・ユース」には書き残すことができたんじゃないかなと思う。   今回リリースしたアルバム『ERA』は20代の中での変化を歌った曲がたくさんあるから、これから20代になる方にも、20代を走り抜いた大人たちにも、そしてまさに同世代!という方にも、たくさん聴いてもらえたら嬉しい!   <さとうもか> ◆紹介曲「 チェーン・オブ・ユース 」 作詞:さとうもか 作曲:さとうもか  ◆ニューアルバム『ERA』 2024年10月30日発売 <収録曲> 01. 生活は大変 02. りとる革命 03. Everyday 04. チェーン・オブ・ユース 05. No massage 06. Dear stranger 07. Misty blue 08. 未完の小説 09. Peach Perfect 10. ネオン 11. オーロラ 12. 旅 13. ERA 14. 予定  

    2024/10/31

  • ゴホウビ
    カップラーメンにしか満たせない孤独がある。
    カップラーメンにしか満たせない孤独がある。

    ゴホウビ

    カップラーメンにしか満たせない孤独がある。

     2024年10月23日に“ゴホウビ”が2nd EP『GOHOBI QUATTRO -spicy-』をリリース! 今作は“スパイシーなゴホウビをお届け!”というキャッチのもと、TVアニメのOP&ED曲をはじめ、未発表3曲も含めて全曲攻めの7曲入り作品となっております。    さて、今日のうたではそんな“ゴホウビ”のスージーによる歌詞エッセイを3回に渡りお届け! 今回が最終回。綴っていただいたのは、収録曲「 ジャンクミュージック 」にまつわるお話です。カップラーメンが出来上がるのと同じ時間でできたというこの歌。激流のチャート、濁流のSNSを前に、今思うことは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 カップラーメンが出来上がるのと同じ時間でできた曲「ジャンクミュージック」。   それがスタッフメンバー全員参加する選曲会議で満場一致で良いと言われたんです。   えぇ…もっと頑張って作った曲、他にもあるのにーと思うけど、近い現象がどの世界でも起きがちなんだろうな。   カップラーメンにしか満たせない孤独がある。 ジャンクでしか味わえない至福がある。     世界に放たれた作品は、創作者だけのものではない。好きなだけ楽しんでもらい、好き勝手言ってもらい、大いに消費してもらいたい。たとえそれが刹那でも。   水のように音楽が当たり前に流れてくるこの時代に自分の作品を見つけてもらえたら、クリエイター誰しも飛び跳ねて喜ぶ、そしてまた新しいものを作る。   チャートは激流で、SNSは濁流。 その波に乗ってみようよ。 飲みこまれなければいい。 覚悟せよ、ゴホウビ号。   <ゴホウビ・スージー> ◆紹介曲「 ジャンクミュージック 」 作詞:スージー 作曲:スージー   ◆2nd EP『GOHOBI QUATTRO -spicy-』 2024年10月23日発売 音楽配信: https://lnk.to/QUATTRO_spicy <収録曲> 01.ぶっとばすからね 02.つまりは 03.ジャンクミュージック 04.ブラウス 05.ヒトリヨガリ 06.MAKUAKE 07.呼吸 ◆EP特設ページ: https://gohobi.site/2ndep/ ◆ゴホウビ ワンマンライブ情報 公演名:GOHOBI ONEMAN LIVE「ゴホウビクアトロ全部のせ!」 日程:2024年11月15日(金) 開場:18:15 / 開演:19:00 会場:渋谷CLUB QUATTRO チケット情報 : 全自由:4,500円(ドリンク代別)  ☆一般発売受付中 受付期間:2024年11月14日(木)18:00まで 受付URL: https://eplus.jp/gohobi/

    2024/10/30

  • Sano ibuki
    無駄と夢は紙一重
    無駄と夢は紙一重

    Sano ibuki

    無駄と夢は紙一重

     2024年11月27日に“Sano ibuki”が2部作からなる3rd Full Album『BUBBLE』をリリース。デビューアルバム『STORY TELLER』以来、新たに書き下ろした空想の物語をもとに、2部作(side-DUSK/DAWN)となる本作。「夢」に憧れ、旅を始める二人の少年による、異なる時空で繰り広げられる冒険譚をもとに書き下ろされた作品となり、前篇「BUBBLE side-DUSK」は10月30日に配信リリースとなります。    さて、今日のうたではそんな“Sano ibuki”による歌詞エッセイを2回に渡りお届け!今回は第1弾です。自身にとっての“春休み”を抜けて、収録曲「 三千世界 」が生まれ、アルバム『BUBBLE』が生まれるまでのもがきあがいた軌跡とは。そして、バイト先の先輩が迎えた結末は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 自動販売機で、毎日ホットコーヒーを買う。 当たりがついているそれが一度も当たったことがないらしい深夜コンビニバイト先の先輩は、バイト終わりの早朝に願掛けのように、癖のように買っていた。   「当たらないですよ、また」って僕がいうといつも 「そうですね。何年、買っても当たらなくて、もう意地みたいなもんなんですよ。当たるとこ見てみたくないですか?」と言った。 「無駄遣いだなあ」と返しながら、面白い人だなと思った。それは自分にはない感情で、やらなければいけないことじゃないなら切り捨ててしまえ、の精神で生きてきた自分にとって衝撃的だったことを覚えている。   そんな先輩と出会ったのは、大学一年生になる直前の春休みのことだった。僕が大人でも子どもでもなかった頃の話。 僕はもう随分と長いこと、この高校三年生から大学一年生になるまでの少し長い“春休み”にいる気がする。 実際には大学へ行き、僕は今働いていて、あの“春休み”とはお別れをしたはずなのだけども、ここ数年まで本気でそう思っていた。 思えば、自分が何者かになってしまう恐怖と、根拠のない自信が本当に根拠がないと自覚してしまう前の、逃亡のようなものだった。   自転車をぶっ飛ばして、何時間もかけてたどり着いた場所には、電車で数分、車で数十分で着くようになった。 俺と上京してビックになろうぜ!!と肩を組んだ少しおバカで可愛らしいあいつは、休日を必死に作っては子どもの世話をする頼り甲斐のあるお父さんという名前をもらった。 口癖のように吐いていたため息は世の中に対する不満より、不甲斐ない自分に対する不満の方が増えた。 初めて一人暮らしした自由なワンルームは、不自由を感じて選択肢からも外れるようになった。 両親に無理を言いながら、自分でも必死になってバイトして買ったギターが世界を変えるほどの音ではなくて、なんだったら修理しないといけないことを知った。   どれも自分にとってかけがえないものだった。 じっくり実感していくように自分から青春が抜けていくようだった。 それはよく考えれば、思春期を通り過ぎかけた頃の自分にとってはすごく自然なことで、無駄なこと、嫌ってやらなければいけないこと以外を切り捨てる方が生きやすかったはずなのに、いつの間にかあの頃の先輩のように当たりがついている自動販売機に毎日通うような日々を過ごしていた。 気がついてしまったからか、すーっと血の気が引いていくように青春時代の残り香が消えていくのを感じた。 これが“春休み”を抜けていくような感覚だった。 なーにやってるんだろう自分は、という虚無のような心はそのうち、脳を蝕んで、筆が進まないどころか、持ち上げることすら難しくなった。   それは自分にとって初めての経験で、真っ暗闇でもない、自分の足跡も形跡も誰かのことすら認識できない真っ白な部屋に閉じ込められたような感覚だった。   自分で自分を諦めることを覚えてしまった。   でもだからこそ気がついてしまった。今だからこそ言える。あの早朝の自販機に通う癖みたいなものを僕は無駄だなと思ったけど、先輩はそんなこと思ってもいなかったのだろう。 きっと夢を描いていた。 当たったら面白いな。とか。 その姿はどこか青春をしているようだったと今だから思える。 僕はまだその青春を迎えにいけてなかった。   一度抜けてしまった春休みを超えた先で、振り返らずに青春をしようともがいた。 自分に残っているものはなんだと向き合い続けて、真っ白な部屋の中、『BUBBLE』というアルバムが産まれ、最初の一曲として「 三千世界 」という曲が産まれた。 残り滓のようなもので必死につけた炎だった。   春が終わった真っ白な部屋の中で、その灯火が誰かに届くように今も祈っている。 自己満足の成れの果てかもしれないそれを世界で一番凄いんだと、胸を張りながら思う。   ある冬の朝、先輩はいつものように自動販売機に向かうと、「今日はなんか違う気がしますよ」と言った。 何言ってんだかなあと思いながら、朝日が眩しくて、上手く上を向くことが出来ず、白い息を吐きながら、バイト中に完成させた“魔法”の歌詞を、改めて新鮮な気持ちでとスマホの画面を見つめていた。 ガタン!という缶の容器がひしゃげてしまいそうな勢いの自販機の音と共に安っぽいルーレットの音が聞こえる。ぴー!ぴー!ぴー!と初めて聞こえる音がした。 上を向くと満面の笑顔で、「さのさん!もう一本選んで良いですよ」と語りかける先輩がいた。   <Sano ibuki> ◆紹介曲「 三千世界 」 作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki ◆3rd Full Album『BUBBLE』 2024年11月27日発売 DISC:1「BUBBLE side-DUSK」(2024.10.30配信) 01. bubble 02. 三千世界 03. twilight  04. 快晴浪漫 05. 天国病 06. かりそめ / Sano ibuki +なるみや 07. eclipse 08. クロニクル 09. プラチナ    DISC:2「BUBBLE side-DAWN」(2024.11.27配信) 01. NULL 02. ZERO 03. ミラーボール  04. 致死量のブルー 05. きっと ずっと 06. 久遠  07. 革命を覚えた日 08. 罰点万歳 09. 終夜 10. GOOD LUCK 11. YUIGON

    2024/10/29

  • みゆな
    あなたに抱きしめて
    あなたに抱きしめて

    みゆな

    あなたに抱きしめて

     2024年10月2日に“みゆな”が新曲「あなたに抱きしめて」をリリースしました。同曲は、飯豊まりえが主演のドラマ『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~Season2』主題歌です。みゆなの繊細で美しくも力強さを感じる歌声が、ドラマをより一層盛り上げ、その世界観で多くの人を魅了させる楽曲になっております。    さて、今日のうたではそんな“みゆな”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 あなたに抱きしめて 」にまつわるお話です。誰かに抱きしめられたとき、それがもたらす影響とは。そもそもなぜひとは「抱きしめられたい」と思うのか…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 人は好きな人に抱きしめられるとストレス軽減、免疫力の向上、血圧の安定、オキシトシンやエンドルフィンの分泌促進など、心身的に良い効果をもたらすのだが、 知らない人に抱きしめられると、アドレナリンの分泌、コルチゾールの上昇など、本能的な反応で自己防衛をするらしい。    ということは、抱きしめられたら瞬時に「好きな人」「知らない人」など脳の指示によって、人にもたらす影響そのものが変わってくる(不思議だなあ)。   抱きしめてもらいたいと思うのは、不安、寂しさ、人の温かみが欲しいという感情が生まれる時だけではなく、強い意志を持った時、最後に一押しをしてもらいたい時などにもある(円陣を組むのもそういうことなのだと思う)。   この楽曲に登場する<私>は後者の方を想像しながら書いた。ドラマ『オクトー』の主題歌に選んでいただいたからこそ、主人公・心野朱梨とリンクする歌詞を書きたかった。   『オクトー』すごく面白い。   映画、ドラマ、本などの感想を「面白い」っていう人は苦手だ。 面白いって何だ? 笑っちゃう面白さなのか、 話の流れが面白いのか、 恐怖を楽しむ面白いなのか。   「面白い」と言われると、自分が今まで面白いと思ったもの(ジャンル)に当てはめてしまうから、実際見た時にちょっと違うと思ってしまう感じがすごく苦手だ。 だけど、このドラマは誰が見ても面白いと思えるだろう。だから苦手な表現をあえて使わせてもらいました。    素敵なドラマの主題歌に選んでいただけたこと、とても嬉しいです。  「あなたに抱きしめて」よろしくお願いします!   ps.  今回も二週に分けてお届けできるということで、来週は少し小説の様な小説じゃない様なものを書こうか、制作エピソードにしようか悩んでいます。来週も楽しみにしていただけると嬉しいです。   <みゆな> ◆紹介曲「 あなたに抱きしめて 」 作詞:みゆな 作曲:みゆな 

    2024/10/28

  • 松室政哉
    「…春のうちに」とつぶやいた。
    「…春のうちに」とつぶやいた。

    松室政哉

    「…春のうちに」とつぶやいた。

     2024年9月18日に“松室政哉”がニューアルバム『LABORATORY』をリリースしました。今作には、BRADIO、矢井田 瞳、堂島孝平&岸本ゆめの(ex:つばきファクトリー)など、様々なアーティストとのコラボ楽曲を中心に全11曲が収録。さらに、音源化が熱望されていた人気曲「フレンチブルドック」などの新曲や、“福耳”の「イッツ・オールライト・ママ」も収録されるなど、バラエイティーに富んだ豪華な作品となっております。      さて、今日のうたではそんな“松室政哉”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回。綴っていただいたのは、収録曲「 春のうちに with The Songbards 」にまつわるお話です。その音楽にいつも心地よい風が吹いているような印象を抱いていたバンド・The Songbardsとのコラボ楽曲。その制作の様々なエピソードを明かしてくださいました。ぜひ楽曲と併せて、エッセイをお楽しみください。 今回は「春のうちに with The Songbards」について書きたいと思う。   振り返ってみれば、松室の楽曲の中で「春」をテーマにしたものはあまり多くない。そんなこともあり、The Songbardsとのコラボレーションは春の歌にしたいと伝えた。彼らの音楽にはいつも心地よい風が吹いている印象があって、そのエッセンスと春のイメージは相性が良いのではないかと考えていた。    制作もこれまで同様にスムーズに進んでいった。まずはThe Songbardsがデモを制作してくれたのだが、その時点で既に彼らのキャラクターが溢れていて、とても素敵な仕上がりだった。そこに僕なりの要素を加えて再構築していく。具体的には、新たにBメロを追加し、鍵盤系のサウンドを重ねていった。   そしてあっという間にレコーディング当日を迎えた。   余談になるが、レコーディング当日は強めの雨が降っていた。駅からスタジオまで折り畳み傘をさして向かったのだが、到着して傘を畳む時に、手を怪我してしまった。結構しっかりと怪我をしてしまい、応急処置をする羽目に。そのせいで少しテンションが下がってしまったのだが、結果的にはそのアンニュイなテンションがこの曲の歌入れに効果的に働いた。   レコーディング自体は順調に進んだ。 コーラスには松原くんと岩田くんも参加してくれたのだが、全員が歌えるのがこのバンドの強みだと実感する瞬間であった。    実はレコーディングが終わるまで、この曲のタイトルは決まっていなかった。全ての録りが終わってロビーに集まり、メンバーで色々とタイトルを出し合ったものの、なかなか決まらない。そんな時、ラフミックスを終えたエンジニアのいまぜきさんが、コーヒーをすすりながら、「この曲って春のうちにリリースするんだっけ?」と何気なく言った。その瞬間、上野くんがパッと閃いたような表情をして「…春のうちに」とつぶやいた。それでタイトルが決まったのだが、その時の上野くんの表情がまるでドラマのワンシーンのようで今でも忘れられない。   The Songbardsの浮遊するようなサウンドは、僕にとっては新鮮なものだった。意識と無意識の間を行ったり来たりするようなこの曲は、アルバム『LABORATORY』を作品として完成させる上で、非常に重要な一曲となった。 < 松室政哉>   ◆紹介曲「 春のうちに with The Songbards 」 作詞:松室政哉・The Songbards 作曲:松室政哉・The Songbards  ◆ニューアルバム『LABORATORY』 2024年9月18日発売   <収録曲> 1.星屑箱 2.LOVEなシーン with BRADIO 3.2人のコンプライアンス(松室政哉×山崎まさよし) 4.ラ・タ・タ ~すべてはフィーリング~ feat.堂島孝平&岸本ゆめの 5.Breathing feat.MORISAKI WIN 6.ホットミルク feat.井上苑子 7.春のうちに with The Songbards 8.Rewrite(浜端ヨウヘイ×松室政哉) 9.Life is Beautiful feat.矢井田 瞳 10.イッツ・オールライト・ママ(福耳) 11.フレンチブルドッグ

    2024/10/25

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