まだいかないで、見せたいものがもっともっとあるんだよ。

ワカバ
まだいかないで、見せたいものがもっともっとあるんだよ。
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな 小倉百人一首の“藤原義孝”による句です。これは、“あなたのためになら、たとえ捨てても惜しくはないと想っていた命だけれど、あなたと逢ったことでもっと長く生きたいと想うようになってしまったよ”という意味…。さて、来たる10月26日、そんな句に通じるタイトルの作品がリリースされます。今年3月に無期限活動休止を決断したユニット“ワカバ”の初ベストアルバム『ワカバ ベストセレクション2006-2016 きみがため』です! このベストセレクションは、【大事な人へのまっすぐな想い】がテーマとなっております。友情や恋心、勇気、優しさ、そして共に生きていくこと、これらを念頭に置いて選曲されました。10年間ワカバが届けてきた、誰かへの応援歌や胸が切なくなるような歌、人に寄り添う温かな歌がギュッと詰まった作品なんです。 そして、今日のうたコラムでは、収録曲の中でもとくにイチオシの楽曲をご紹介。2015年にシングルリリースされた「見せたいもの」という楽曲です。なお、ワカバのメンバーは全員、介護福祉士の資格を持っております。そのため「生」と「死」に真摯に向き合った曲が多いことも特徴のひとつ…! 「お前の隣を共に歩いてく お嫁さんが来るまで死ねないよ」 笑いながら言うあなたに 背を向けて僕は泣いていた 消毒が鼻を突く 祖母の部屋はどこですか? 静脈の浮き出た腕 ぽつんとひとり あなたはいた 「見せたいもの」/ワカバ 「見せたいもの」で描かれているのは、入院しているおばあちゃんと僕の物語。命ある者にはいつか“死”というものがやってきますよね。最期を見守る側も、最期を迎える側も、どれだけ苦しいことでしょうか…。それでもこの歌では、おばあちゃんは孫のことを想って笑い、“僕”もまたおばあちゃんを想って涙を見せぬよう背を向けるのです。本当はお互いに不安も悲しみも痛みもあるハズなのに。冒頭のフレーズで二人の様子を想像するだけでも、大事な人への想いの強さが伝わってきます。 大切で ただ大切で 消えそうな笑顔 まぶたに焼き付けた 点滴の雫のように あなたの鼓動は穏やかに時を刻む 大好きで ずっと大好きで くしゃくしゃの笑顔 ずっと見ていたくて いかないで まだいかないで いつからそんなに小さくなってしまったの? ベッドを少しずらしていいですか? 窓から空がちょっとだけ見えるように 見せたいものがもっともっとあるんだよ 僕の隣を共に歩いてく 大切な人の手を引いて バス停から続く坂道を あなたに会いに登ってくとこ 「見せたいもの」/ワカバ そして、別れることで一番ツライのは、これからやってくる未来の景色を一緒に見られなくなることだと思います。だからこそ“僕”は、ベッドを少しずらしてほんの少しでも“今の空”を<見せたい>、元気な“今の自分の姿”を<見せたい>、「お前の隣を共に歩いてく お嫁さんが来るまで死ねないよ」と言っていたおばあさんのために“今の大切な人”を<見せたい>のです。たくさんの“今”を見せたいからどうかもっともっと生きてほしい…。この曲にはそんな想いが満ちております。 一方で、きっとおばあさんも「君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな」の句のように、たくさんの“今”を見せてくれる孫がいるからこそ、少しでも長く生きたいという気持ちが増してゆくのではないでしょうか。また、どんなに弱っている時でも、おばあさんがベッドの上で笑顔でいるのは、その姿が彼女にとっての<見せたいもの>であるからなのかもしれませんよね。“僕”からもおばあさんからも<見せたい>という気持ちに込められた愛が伝わってくるようです。 みなさんが、大切な誰かに見せたいと感じるのは、どんなものですか? そんなことも考えながら、是非「見せたいもの」をはじめ、ワカバのベストアルバム収録曲、歌詞をじっくり読みながら聴いてください。そして、自分の心の中の【大事な人へのまっすぐな想い】を改めて、確かめてみてください…! ◆ベストセレクション2006-2016『きみがため』 2016年10月26日発売 WTCS-1038 ¥2130+税 <収録曲> 1.ZEROからはじめるストーリー 2.センボンノック 3.ゴジラ 4.ミラクルビンゴ 5.星の降る街 6.いちばん好きな人 7.かけらぼし 8.明日、僕は君に会いに行く。 9.あかり 10.ビリジアン -NAKAME Live ver.- 11.口笛 12.プカリプカリ 13.明日に 14.見せたいもの 15.ぎゅっと(Live・月いちワカバ会 160327)※ボーナストラック 16.トートバッグ(Live・プレワカバ会 160327)※ボーナストラック























