言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。 「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介して行くこのコーナー。
 今回は、ジャイアンツ公式応援歌やアニメ主題歌、舞台音楽などを制作し、英語詞や訳詞も得意とする「音羽志保」さんをゲストにお迎え致しました。

音羽志保

代表作

TOMATO JUICE」/少年隊
我愛ニイ(ウォーアイニー)(テレビアニメ「アソボット戦記五九」主題歌)/dream
Love is power」(2003年読売ジャイアンツ公式応援歌)/dream
くちびるで止めて」/安倍なつみ
Feel Your Groove」/松浦亜弥
前髪れんれん」/
花筏-Hanaikada-」/天童よしみ
「a girl」/12人のヴァイオリニストfeat.小柳ゆき
その他多数

作曲論

聞き手、歌い手の半歩だけ前を行くこと。言葉の意味だけじゃなくそれが持つリズムも大切にすること。歌詞ってすごいなと思うのは、すこし照れくさい表現でも躊躇なく歌えてしまうところ。だから自分は透明人間でいたいなと思います。

水谷さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:

幼い頃から大きくなったら音楽の仕事をするんだと疑いもなく思っていました。でも当時地方にいて何の情報もなく苦労しました。上京してからはとにかくいろんな人に会っていろんな人に相談して今の事務所の社長に出会いました。

Q:
プロ、初作品について
A:

少年隊の「TOMATO JUICE」という曲。まだ手書きで提出していた頃です。

Q:
作品を提供したいアーティスト
A:

たくさんいます。私の書く歌詞に興味を持っていただける方。

Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:

今は解散してしまいましたが雅という女の子のユニットに提供した「蛍袋」という歌。花は本来太陽に向かって咲くのに、蛍袋は下を向いて咲く姿に自分の魅力にまだ気づいていない若い女の子を重ねて書きました。

Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:

男にも女にも、物にもなれるから。人の体に入っていけるから(笑)。

Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:

日本語はどんな重箱の隅もつつける巧みな言語だと思います。とにかく型にハマらず自由な発想でいることだと思います。そしてフットワークの軽さも重要。

歌詞を見る

歌詞を書きながら泣いていたのを覚えています。レコーディングでは天童さんの見事な歌唱で、ほぼ1テイクでOKになったのも印象的でした。

■私の好きなあのフレーズ

「母よいつの日か 母よわたしの背にもたれ
幼き日のこと 話しておくれ この大地に腕を広げ」

PROFILE

音羽志保Shiho Otowa

島根県松江市出身。慶應義塾大学商学部卒業。
2002年少年隊への歌詞提供でキャリアをスタート。
その後多くの歌手に歌詞を提供する傍ら、舞台制作や書籍の企画制作など活躍は多岐にわたる。

【これまで登場した作詞家さん】