川崎亘一(Gu)、荒井岳史 (Vo&Gu)、木暮栄一(Dr)、そして原昌和(Ba&Cho)と、それぞれのパートが悠然と折り重なっていく「いつかの」から間髪置かず「ノード」へとつなぐ劇的な幕開け。さらに「coral reef」「free fall」と目くるめく怒涛の攻勢で、『6th album“街の14景”release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR』東京公演は序盤から最高潮! 開演直前に川崎のエフェクターが断線というハプニングに見舞われたものの、4人のエモーションあふれる熱演はひとつの奔流となってフロアを飲み込み、オーディエンスを丸ごと歓喜の果てへと導いていった。「higher」「Fool Proof」など定番曲はもちろん、ニューアルバム『街の14景』の楽曲群も――4月の初披露時には多少の力みも感じられたけれど――自然体ながら高い精度と熱量で鳴らされていて、長いツアーでの成果をまざまざと感じさせた。中盤には、今ツアーからやり始めたという木暮のMCタイムも(バスドラ叩きながら「EZ DO DANCE」を熱唱!笑)。「ARENNYAで待ってる」で爽快なR&B風コーラスを響かせたと思えば、「black」でAC/DCさながらの硬質なハードロックをブチかまし、さらに長大なインストナンバー「師走」では狂気交じりのプログレッシブな衝動をスパークとライヴ後半も充実のアクトを展開。浮沈激しいシーンにあって10年以上も最前線に立ち続け、今もこうしてフルハウスの渋谷O-EASTを熱狂させている姿を目の当たりにすると、改めてこのバンドの異才と偉大さを痛感せずにはいられなかった。この先も東北公演、夏フェス出演、そして“秋になったらもう一回ツアーをやります。7月1日にいろいろ発表するんでよろしくお願いします!”と荒井から告知があった通り、バンアパの進軍は続く!