“浅井健一 & Bad Teacher Kill Club”と名付けられた新バンドは、アルバム『PIL』を引っ提げ怒濤の如く全国9カ所を回り、そのファイナルSHIBUYA-AXで最高の夜を迎えた。
浅井が率いるこのバンドのメンバーは、東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志(Gu)と茂木欣一(Dr)、JUDEにも参加したHEATWAVEの渡辺圭一(Ba)。この4人でのブッ太いロックは幕開けの「見た事もない鳥」からフロアを熱狂させ、ギター2本が絡む硬派だが華のある演奏は、お馴染みの曲も新鮮に響かせる。ツアー前の宣言通り『PIL』の曲はもちろん、浅井のソロ作、JUDE、照井利幸と組んだPONTIACSのナンバーにBLANKEY JET CITY時代の曲も揃えたセットリストに、フロアは沸きに沸いた。イントロで歓声が起こり、「危険すぎる」や「ガソリンの揺れかた」は浅井が歌わずともコーラスで曲が進んだほど。そんなオーディエンスを浅井は嬉しそうに見渡した。 メンバー紹介で加藤が“影響を受けてきた浅井さんと一緒にやれて光栄です”と言うと浅井も“この3人とやれて嬉しい”と返した。そして、中盤は「人はなぜ」や加藤がシンセを弾く「エーデルワイス」をドラマチックに聴かせ、後半はフロント3人が揃ってネックを振るポーズを決めたり、ジャンプしたりと意外なパフォーマンスにフロアの熱気は最高潮に。2度のアンコールの最後を飾った「SEA SIDE JET CITY」はエンディングが「テキーラ」にとなり祝杯をあげた気分。このバンドは今後も続くようだ。