10代にしてメジャーデビューという華々しいスタートを切り、今やJロック界の若き新鋭としてその名を轟かせているBase Ball Bear 。彼らが約1ヶ月間に渡って行なってきたツアーがいよいよ最終日を迎えた。 華々しい照明に彩られながら、“待ってました”と言わんばかりの 拍手に迎えられ登場したメンバー。個々が所定の場所に着くや否や「STAND BY ME」が始まった。疾走感のあるギターとキャッチーなメロディーが、ノリやすく気持ちのいい音を作り出しながらも、小出祐介(Gu&Vo)の少し鼻にかかった温かみのある歌声と関根史織(Ba&Cho)の透明感あふれるコーラスが彼らの楽曲の輪郭をよりハッキリとさせる。爽やかでポップな印象が強かった彼らの楽曲だが、こうして生で聴いてみると激しくかき鳴らされるギターと飛び跳ね感たっぷりのドラミング、リズミカルに奏でられるベースが生み出すバンドサウンドからは予想以上にロックを感じずにはいられなかった。メンバーのパフォーマンスに一喜一憂しながら、ステージに食いつくオーディエンスの盛り上がりは時間を追うごとに熱さを増し、どこからともなく起こった大合唱で最高のコール&レスポンスが繰り返された。 作品を出すたびに新たな一面を覗かせてくれる彼らの楽曲だが、その音楽に対する柔軟性は単に“若さ”というものだけでは説明しがたい。分かりやすさを持ちながらも、どこか耳に残るひとクセもふたクセもある個性をすでに確立しているからこそ、躊躇することなく様々なことに挑戦できるのだろう。これから先、彼らがどんな変化球を投げてきてくれるのか、そんな期待を持たずにはいられない未来を感じさせるツアーファイナルであった。