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LIVE REPORT

一青窈

一青窈 日本武道館

2008年09月16日
@日本武道館

場内に入るなり、いきなり驚かされた。アリーナの中央に幾つものライトに囲まれた低い舞台があり、後方には楽器が配置されている...つまり、アリーナに席がなく、その広いスペースの全てがステージになっていたのである。“どんなライヴが観れるんだ?”と否が応にも期待感が高められたが、ライヴは「望春風」のアカペラで静かに始まった。そして、次の「あこるでぃおん」でピアノが加わり、曲が進むに連れてギター、パーカッション...と楽曲を彩る音色が厚くなっていく。観客は歌と演奏のみのドラマチックな展開と圧巻のヴォーカルによる歌物語に惹き込まれ、釘付けになっていたことは言うまでもない。もちろん、その後はアリーナという広い空間を利用し、時に8人のダンサーと絡みながらの昭和歌謡メドレーを歌い踊り、時に紙吹雪が舞う中を後輩の慶応義塾大学アカペラサークルの100人と「ハナミズキ」を歌うなど、エンターテインメント性に長けたパフォーマンスで観る者を魅了した。そして終盤、11月19日発売の新曲「はじめて」が初披露される。カンボジアに建設される学校の校歌として彼女が渾身の思いを込めて作った新曲だ。さらに2回目のアンコールでは、観客の声に応えたというよりも、彼女の方から駆け出るようにしてステージに姿を表した。それは観客を始め、自分を支えてくれた周りの人たちに感謝の気持ちを伝えるためであり、プロデューサーの武部聡志のピアノをバックに「アリガ十々」を切々と歌い、思いの丈を歌で届けたのだった。武道館という特別な場所でのライヴ。彼女にとって大きな意味を持つライヴになったことだろう。