街がクリスマスカラーに色付き始める中、American Short Hair主催による少し早めのクリスマスライヴが行なわれた。この12月8日というのは、奇しくもジョン・レノンがこの世を去った日でもある。今さら説明の必要などないほど、数々の名曲を生み出し、音楽史と人々の心にその名を刻んだジョン・レノン。American Short Hairのヴォーカルを務める迫水も、そんな偉大な彼からインスパイアされたものは多く、この偶然を喜び、それをステージに反映させていた。 まず、トップバッターを飾った合唱隊Song。クリスマスにちなんだナンバーを中心に5人の美しいハーモニーを響かせる。ライヴハウスにいるのに、教会で聴いているかのごとく神聖な気持ちにさせてくれた。続く川口祥子もギター1本と自身のウイスパーボイスで会場を魅了。内に秘めた強い思いを静かに、そして丁寧に、一音一音に込めていた。 ライヴもいよいよ主催者であるアメショーを残すのみとなり、ステージには白いツリーが飾られ、「アヴェ・マリア」といった教会音楽のSEが雰囲気を演出。ゆったりとした足取りで登場したメンバーは、1曲目「グランディオーソ」から軽やかなリズムを刻んだ。幾度となく変化するメロディーは熱を帯び、聴く者を夢中にさせる。彼ら自身も楽しみながら、幻想的な世界をどんどん作り上げていった。冒頭でも言った通り、今宵はジョン・レノンの命日ということで「Happy Chistmas」をカバーしたり、「ハープのまもり」では初の試みだというピアノ演奏も披露したりとスペシャルな内容で楽しませてくれた。 会場中を幸福な気持ちにさせる、それが何よりものクリスマスプレゼントになったことは言うまでもない。