超ときめき♡宣伝部が1月27日、28日、2日間にわたってグルーブ最大規模となる横浜アリーナにて『行くぜ!超ときめき♡宣伝部 at 横浜アリーナ!〜隣はきみって決めてるの〜』を開催し、大成功させた。DAY1は“恋”、DAY2は“青春”と違うテーマを掲げて、内容の違うコンサートを開催した本公演から、ここではDAY2の模様をレポートする。
同公演の2日目、客電が消えてオープニングムービーが始まった時点から客席は盛大なクラップが巻き起こり、観客はやる気満々。ライヴが始まる前からアツい空気が横アリには広がり、ステージ上段に超ときめき♡宣伝部(以下、超とき宣)が姿を現す。ステージセット、バルーン、メンバーの衣装すべてが前日の“恋”をテーマにした赤から“青春”のテーマカラーであるブルーに変わっている。そうして、ライヴはファン、筆者の予想を裏切る「ぴょんぴょん」での幕開! これには全宣伝部員(超とき宣のファンの呼称)さんたちが大絶叫したはずだ。初期ナンバー投下に冒頭から《ウーハー、ウーハー》のコール、「跳び出せ青春!」の歌詞、メンバーとの一斉ジャンプで場内ははち切れんばかりの熱狂に包まれる。そこにさらに活動初期の人気楽曲「GAMUSHARA」を投下。誰も予想していなかった展開に観客はさらに大興奮をした。“そいや!! そいや!!”のかけ声に合わせてド派手なレーザーが飛び交い、《咲かせてみせます大きな花びらを》の歌詞に合わせて、ステージに巨大な火柱が上がると、観客のシンガロングのボリュームも倍増。冒頭からエンディングのような白熱ぶりだ。それに追い打ちをかけるように「お届け!デリバリースター」ではムービングステージが舞台後方に向かって動き出し、6人を宣伝部員さんたちにお届け(微笑)。
そして、このあと再び初期ナンバーに戻って届けられた2曲は、まさに彼女たちと宣伝部員さんたちのザ・青春を象徴するコーナーとなった。超とき宣は見た目も楽曲もブリブリの本格的な正統派アイドル。けれども、可愛いだけのファンタジックなアイドルと彼女たちが決定的に違うのは、可愛いの裏で超とき宣が『週刊少年ジャンプ』に掲載される青春マンガのような血、汗、涙がにじむど根性ストーリーを宣伝部員さんたちに支えられながら積み上げてきた”叩き上げ“のアイドルだという部分。そんなバックストーリーの先にみんなでたどり着いたこの強大なステージで「青春アンセム」、「ガンバ!!」をパフォーマンスした時に得られた至福感、Dream Come True感はまさに夢心地。感動の涙をこらえながら、それでも《ユメ ハ ツヅク...》と「ガンバ!!」の最後にはみんなで誓い、その理由を「超ステップアップ」で吉川ひよりが放つセリフ《「アイドルって楽しいー!」》につなげていく。こんなメンバーと宣伝部員さんたちが織りなすリアルストーリーこそ、まさに“青春”“可愛い”だけじゃない超とき宣を畳み掛けたこのゾーンで、観客の体内、場内のエモさをマックスまで高めていって、彼女たちはステージからいったん退場。
メンバーと入れ替わりに出てきたのは超とき宣マスコットキャラクターであるパブりん。パブりんと一緒に、クラップやダンスで場内の一体感が高まっていったところに、メンバーカラーの衣装に着替えた彼女たちが再登場。「ハピラブルー!」、「ラミラミ」、「大、大、大すきっ!」と最新アルバム『ときめく恋と青春』の収録曲を続けてパフォーマンスし、ここからはDAY1の“恋”とDAY2の“青春”をしっかりとつないでいく。超とき宣には珍しい壮大なバラード「Sora」は、前日のライヴを見た宣伝部員さんたちがさっそくペンライトで振りマネを作り、その動きが横アリ中に広がった。そうして、エンディングに小泉遥香が渾身のフェイクを入れた瞬間、この曲が横アリの天井を突き抜けて大空まで広がっていった。そんなスケール感たっぷりの景色を作り出したあと、始まったのは「君と過ごす日々」だった。
昨日は披露されなかったこの曲は、奇跡の中で出会い、夢を追いかけた下積み時代のあの頃がありながらも、こうして君と過ごす旅にもやがて終わりがくることを綴ったナンバーだ。最新作の中でも、楽曲、メンバーの唱法も含めてもっとも感情に訴えかけてくるこの曲。彼女たちの歌声も心なしか高ぶり、宣伝部員さんたちは心の中で号泣しながらこの曲を受け止めているように見えた。その涙を吹き飛ばすように、その後彼女たちは「夢がとまらない!」を明るく、パワフルにパフォーマンスしてみせる。終わりがあるからこそ、もっともっと私たちと一緒にキラキラとワクワクが溢れる未来を見にいこうと歌いかけてくる6人が、宣伝部員さんの中でさらに愛おしい存在になっていったところで曲はフィニッシュ。
ショートムービーをはさんで、ライヴはいよいよ後半戦へ。今度は、全身がキラキラ輝くメンバーカラーの衣装に着替えて登場したメンバー。“W-A-N-T-E-D”のコールからディスコソウルな「WANTED」が始まると、曲中で菅田愛貴がこの曲の振り付けをレクチャーしてダンスタイムへ突入。場内一丸となって盛り上がる「トゥモロー最強説!!」では坂井仁香の提案でウェーブを作り、場内の一体感はマックスに高まる。そこに、彼女たちは超ひさびさに披露した「大事マン✩フレンズ」を投下。客席は一瞬騒然となりながらも大歓声を張り上げる。そうして、メンバーと観客みんなで「かわいいメモリアル」を踊り、白煙が立ち上がるなか「エンドレス」ではロックバンド並みの盛大な“オイッ!”コールを巻き起こしていって、キラーチューン「青春ハートシェイカー」へとつなぐ。6人の歌声がかき消されるほど盛大なメンバーコールが横アリを揺らし、熱気を帯びた客席に青いキラキラのテープが降りそそぐ中、“青春”のテーマの締めくくりとして「きみと青春」をパフォーマンス。ものすごい熱狂に包まれるなか、本編は終わりを迎えた。
アンコールは、続き超とき宣おなじみの撮影可能な時間“ロックオンフリータイム”で幕開け。前日に続き、動画・静止画ともに撮影可能となっていた。そのあとは、超ときめくお知らせとして、DAY1で解禁した情報の他に4月28日、29日には新設となる神奈川・横浜BUNTAIでワンマンライブ『ときめき♡春の晴れ舞台2024』を行なうことが発表された。そして、この日のライヴに舞台裏映像を加えたものが3月9日にCSテレ朝チャンネル1でオンエアされることを次々と発表して、ファンを驚かせた。このあとは、2日間行なった横アリのライヴについてメンバーが話すMCコーナーへ。
宣伝部長でもある辻野かなみは“こんな普通の自分が“推し”でいいのか、推してて幸せなのか? 応援しがいがあるのか?”と、不器用すぎて努力しても思い描く“自分”になれなくて日々もがき苦しんでいたことを回想。ライヴ前はそんな自分に対して今も不安になるが“今日は心の底から堂々とライヴができました!”と笑顔を浮かべた。“私はひとりだとあんまり強くないけど、みんながずっと味方でいてくれたからもっと頑張りたいと思ったので、私たち、辻野かなみにずっとついてきてくれますか!?”と涙をうかべながら会場に問いかけると、観客は辻野カラーのペンライトを振って、答えを届けた。
杏ジュリアは“泣かずにちゃんとお話したいと思います”と言いながらも、だんだんと声を震わせながら、まず自分が超とき宣のメンバーになれたことへの感謝を改めて伝えた。そして、会場を見渡しながら“こんなに多くの人に出会えて。この全員がここにいてくださったから、私たちはこのステージに立つことができました”と来場者に向けて感謝を述べた。このような大きな会場でも“私たちは遠くに行ってないし、全員見えているし、心はひとつ。みなさんの近くにいます”と優しい口調で話しかけた。
坂井仁香は溌剌とした笑顔を浮かべながら、中学2年生から超とき宣の活動を始めたことを振り返り“学生時代、本当に青春をずっと捧げきたんですね”と述べたあと、必死に泣くのを堪えながら“泣いてないよ。私は先輩だから!”と言ってファンを優しい笑顔にしたあと、その涙を吹き飛ばした。そして、ひとつのことをやり続けることは大変だったが、みんなの支えがあったからここまでアイドルを続けられたことをしっかりと伝える。そのまま笑顔を見せ“フリーライヴを毎週やっていた私たちが、ここまでこられたよー!”と横アリに向かって大声で叫んだのも印象的だった。
小泉遥香は「Sora」の歌詞を引用し、ステージではスーパーアイドルにしてもらっているものの、普段は《何者でもない》自分のことを赤裸々に告白。そんな自分たちにスタッフが開演直前に涙を流して“横アリまで連れてきてくれてありがとう!”と言ってくれたことに対しても“私たちはなんにもしてない訳ですよ。自分たちの力だけできたんじゃないから”と、スタッフやファンが注いでくれた愛情があったからここまでこられたことを打ち明ける。そして、“今後も周りに愛される人間でありたいと思う”とも話した。
菅田愛貴は“もぉ、ダメ...”と話す前から頭をかかえ、涙を流す。“こんなにもたくさんの人が会いにきてくれて嬉しいんですけど...”と前置きをしたあと“私たちが夢に掲げていた横アリ公演のソールドアウトをすることができなくて...悔しくて悔しくて...。昨日の夜もメンバーと悔しかったと話していたんです...”と唇を噛みながら悔し涙を浮かべた。そして、またいつかこのような大きなステージに立てるとしたら“満員にできると信じて、頑張っていきたいと思います”と続けた。
吉川ひよりは菅田の言葉に優しく添えるように昔は2,500人のキャパの会場もソールドができなかった時代があったことを懐かしそうに振り返りながら、そういうことがひとつひとつの自信となっていって、このような大きなステージにたどり着いたと感慨深そうに話した。“横アリでは想像以上の景色を見せてもらったんですけど、幕張はソールドアウト。夢は止まらないね!”と悔しい気持ちを前向きな笑顔に変えて“もっともっと大きなステージに行こう!”と宣伝部員さん全員に今後の意気込みをはっきりと宣言した。そのためにも“もっともっと私たちビッグになりますので、これからもよろしくお願いします!”と声を張り上げ、挨拶を締めくくった。こんなふうにどこまでも言葉の熱量が高く、心に響くMCも超とき宣の魅力のひとつだ。
そして、このあとは前日と同じく「100%♡オレンジ」でアンコールがスタート。観客がペンライトで横アリを美しいオレンジ色に染めたあとに、坂井が“みんなとまたここで会えますようにー!”と叫んで彼女たちの代表曲「すきっ!〜超ver〜」をアクト。最後にTik Tokと記念写真の撮影を行ない、ライヴはここで終わりかと思いきや“終わりとみせかけて〜”という辻野の声に合わせて、前日も登場したランダムで歌唱楽曲が決まるときめき♡ルーレットがステージに搬入される。8曲のタイトルが書かれたルーレットをメンバーを代表して杏と菅田が回し、この日は超とき宣(改名前のときめき♡宣伝部時代からの)初期のレア曲「ビューティー」、そのあとは超とき宣となった今の人気ナンバー「ホップステップジャンプLOVE」が選ばれ、これらのパフォーマンスをおかわりとしてプレゼントしてライヴは終了した。
歌唱を終えた彼女たちはステージに並び、坂井の合図でマイクを使わず、生声で“素敵な“青春”をありがとうございました!”という言葉を観客に届けたあと、名残惜しそうに舞台から姿を消した。メンバーがいなくなったステージに向けて、場内からは感謝の気持ちがこもった拍手があちこちから自然と沸き起こり、気がつくとその拍手は会場全体に広がっていた。それは、この横アリ2デイズに満足することなく、もっとビックになってさらなる景色を目指し続けるといった超とき宣を今後も支え続ける宣伝部員さんたちからのエールだった。
取材:東條祥恵
※写真はDAY 1、DAY 2の両公演から選定した写真を掲載しています。
超ときめき♡宣伝部
チョウトキメキセンデンブ:スターダストプロモーションに所属する辻野かなみ、杏ジュリア、坂井仁香、小泉遥香、菅田愛貴、吉川ひよりからなる6人組の正統派アイドルグループ。2019年4月にエイベックスよりデビュー1stシングルをリリースし、20年4月にグループ名をときめき♡宣伝部から超ときめき♡宣伝部に改名。同年にZepp Haneda(TOKYO)のこけら落としとなるワンマン公演を開催し、1stアルバムを発売した。21年には、TikTokで「すきっ!~超ver~」が大きな話題となる。22年5月に横浜武道館でこけら落としワンマン公演を開催。6月にミニアルバムを発表後に全国ツアーを完走。10月には幕張メッセ イベントホールでワンマンライヴを大成功させた。23年4月に東阪の野外音楽堂でライヴを開催し、5月にシングルを発表後は自身最大集客数の全国ツアーを開催。ツアーの間にはインドネシアで開催されたイベントへも出演。9月にシングル「かわいいメモリアル」をリリースし、11月には映画『メカバース:少年とロボット』の主題歌「Sora」を発表。24年1月にはアルバム『ときめく恋と青春』をリリース後、横浜アリーナ2デイズ公演『行くぜ!超ときめき♡宣伝部 at 横浜アリーナ!』を開催する。