2022年のクリスマス、神奈川・横浜アリーナでの単独公演を発表してから、1年以上をかけて、超ときめき♡宣伝部(以下、超とき宣)がグループ最大規模となる横浜アリーナにて『行くぜ!超ときめき♡宣伝部at横浜アリーナ! 〜隣はきみって決めてるの〜』を1月27日、28日の2デイズにわたって開催した。DAY1は“恋”、DAY2は“青春”をテーマに掲げ、2日間で約1万6,000人を動員した本公演から、ここではDAY1のレポートをお届けする。
会場となった横アリの入り口、その上(正面)にある大型ビジョンを観れば超とき宣のMVやライヴ映像が流れ、付近にはメンバーそれぞれののぼりやフォトスポットスペースもある。場内に入ると、過去の衣装展示ブースや最新衣装を着用したメンバーの等身大パネルなど、宣伝部員(超とき宣のファンの呼称)さんにとってはどこまでも“超とき宣”尽くしの空間が広がっていた。映えスポットだらけのこの環境作りは、普段からYouTubeやTikTokなどのSNSを使ったアイドル界随一の超とき宣スタッフチームならではといえる。今や観客の半数を占めるほどに急増した女性のファンたちは、開演前にこれらの場所を見つけては嬉しそうに写真撮影にいそしんでいた。クオリティの高いメンバー衣装を自作して着て来ている女性ファンも多く見られたのも、筆者としては嬉しかった。
そうして、いよいよ超とき宣の夢の舞台が幕を開ける。客電が落ちると、すぐに感動の瞬間がやってきた。宣伝部員さんたちがかざす推しカラーのペンライトで横アリすべてが埋め尽くされたこの光景は、メンバー6人が一番観たかった景色だろう。その感動で胸のドキドキが高まる中、オープニングムービーに合わせて観客がカウントダウンをはじめた。この日は「ドキドキ ドキドキ」でライヴはスタート。ハート尽くしの超ラブリーなお揃いの衣装を着た6人が、開場にいる全員の気持ちを代弁するようにこの曲を歌う。それを見守る宣伝部員さんたちのドキドキ。その瞬間をこの曲を通して共有しあったあとは、昔から人気の高い「初恋サイクリング」でみんなの気持ちをほぐしていく。フロアーの全員が横向きになって連結して踊るダンスと“俺も!”のコールで、隣にいる初対面の宣伝部員さんとも仲良くなって、場内には早くも一体感が誕生していた。
この曲では、昨年喉の手術をした吉川ひよりが“私たちと一緒にドキドキしましょう!”と元気一杯の声を届けて、ファンの心をほっとさせる。「LOVEイヤイヤ期」では坂井仁香の超絶に甘々な《はい、好きって言って!》に全員で“す〜きッ!”のコールを返す。「もっともっと もうちょっと」が始まると6人を乗せたステージがアリーナの頭上を通って会場のど真ん中まで移動。ムービングステージを使った大会場ならではの演出は迫力満点だった。メンバーはこの世の中で最高にキラキラしているアイドルスターだ。それでも“私たちはみんなとの距離は変わらないよ”と言うように、次の「ギュッと!」ではムービングステージから降りたメンバーが中央のサイドステージに登場。あちこちに散らばって、客席に近い場所で宣伝部員さんたちに次々と愛を注ぎ、みんなのハートをギュッとつかんでいく。
ここまでパフォーマンスしたあと、メンバーは早着替えへ。その間は、超とき宣ではおなじみのマスコットキャラクター・パブりんが登場する。クラップやダンスで客席の一体感を高めていくパブりんタイムで観客を盛り上げる。そして、メンバーカラーの衣装に着替えた6人が再びオンステージすると、ここからは1月に発売されたアルバム『ときめく恋と青春』の収録楽曲ゾーンへ。まず、今回の横アリのテーマである“恋”と“青春”のふたつを併せ持ったリード曲「ハピラブルー!」をアクトすると、観客たちは数日前にメンバーの動画を観て覚えたばかりの振りを一斉に踊る。それを讃えるように、スタッフたちはそのライヴ動画を翌日にはSNSにアップしたのも、さすが超とき宣のスタッフ陣と言えるだろう。彼女たちはアイドルの王道をいくフリフリのファッションで、ときめく“恋”や“青春”の曲を超絶甘いセリフを入れて歌う。しかし、その裏に隠された彼女たちのアイドルにかける本気度、その半端ない熱量を知っているからこそ、宣伝部員さんもスタッフもこのようなすばらしい連携プレイで彼女たちを盛り上げていく。それが、自分たちをさらに輝かせてくれていることをメンバー自身が一番知っているからこそ、この歌の歌詞の《隣はきみって決めてるの》が何よりも観客やスタッフの心に突き刺さり、幸せな気持ちで満たしてくれるのだ。
だが、この日の超とき宣は、ここから最新曲を使って今まで見たことがない顔を観せていく。レーザービームが飛び交う中で始まった「ラミラミ」が始まると、全員が大人びたクールな女性の表情に早変わり。頭上で両手を交差させて“不合格”と歌って観客を突き放してみせたと思ったら、次の「大、大、大すきっ!」ではキュン死に必死の可愛い声とキュートな表情で《大すきっ》を叫ぶ。この表現力の幅は彼女たちがこの1年で本当にすごさを増してきた部分だ。
オープニングからここまでパフォーマンスだけで観せてきた彼女たちが、やっと自己紹介を始めた。それに合わせて照明スタッフは、メンバーカラーのライティングをメインステージの周りのライトとメンバーが経つサブステージの床にあるライトで瞬時にほどこしていく。その細やかな連携プレイに感動していると、坂井仁香が“みんなとどこまでも行くんだという曲です”と言って、バラード「Sora」のアクトへ。メインステージの大きな液晶に映る青空をバックにかつてないほど壮大な楽曲を歌う6人の歌声が気持ち良く横アリいっぱいに広がっていって、大きな愛で場内をすっぽり包み込んでいったところは大感動。その直後、白いスモークとレーザービームとともに聴こえてきたのは「ユラグラブ」だった。
ここでまたもや場内の空気は一変。これまでの超とき宣にはなかったバラードに挑戦したあとは、大人っぽい曲調にのせて嫉妬心でアンバランスになって揺らぐ恋心をペアダンスでドラマチックに表現したパフォーマンスで場内を魅了。嫉妬心で揺らいだあとは、失恋ソング「最上級にかわいいの!」を続けてドロップしたところは、物語として最高にカッコ良かった。振られた乙女のドロッとした気持ちをここまで可愛い振り付けに振り切って歌えるのは彼女たちならでは。こうして可愛くてピュアなものからドロっとディープな感情まで、さまざまな“恋”のバリエーションを超とき宣の音楽を通してレクチャーしてきた彼女たち。
そして、ムービーを挟んで菅田愛貴が“みんな、真似して踊ってね!”と言ったあと、踊りを可愛らしく解説して、みんなで踊りまくった「WANTED」からはライヴもいよいよ後半戦へ突入。この後は彼女たちのライヴでの最強ナンバーを一気に連発。ここでは、懐かしの初期ナンバー「土っキュン♡!!少女」の登場に客席は驚愕! 悲鳴をあげながら大興奮。メンバーコールが響き渡った「青春ハートシェイカー」では、6人がアリーナの外周やスタンドの通路まで飛び出してきて観客に近づき、場内の熱気を思いっきりかき回していって、最後は超とき宣の代名詞であり最強のキラーチューンである「すきっ!〜超ver〜」をステージに披露した。アリーナにはキラキラしたテープが舞い降り、最高の景色を作り出して本編はフィニッシュを迎えた。
アンコールは、超とき宣ではおなじみの観客が写真や動画を撮影できる“ロックオンフリータイム”からスタート。さらに、超ときめくお知らせが届いた。超とき宣をコミカライズしたマンガ『だいすき!超ときめき♡宣伝部』が『ちゃおプラス』で連載されること。グループ初のオフィシャルカレンダーが3月31日に発売になること。さらに、LIVE配信のリアルタイムドラマで超とき宣が初の主演をつとめるドラマ『リトライ、青春!』が、3月29日から配信されること。どれも宣伝部員さんを驚かせた嬉しいお知らせだ。
そして、続くメンバーの挨拶の中では杏ジュリアが“好きはこの世の中で一番強いパワーを持っていると思うから、自分の好きを大事にして”とメッセージを伝え、小泉遥香は“私たちみんなを大好きなんだよ! 分かってますか? 何があっても、みんなとなら乗り越えられる”と熱弁。そうして、辻野かなみが“世界で一番綺麗なオレンジ色に染めませんか?”との言葉で超とき宣が大切にしてきた「100%♡オレンジ」が始まると、横アリがオレンジ一色に染まり、最後は「きみと青春」で一体感を作り上げ、明日の2日目“青春”へとこの曲でバトンをつないでライヴは終了した。
TikTokと記念写真を撮影して、これで終わりかと思いきや(笑)、ステージにはその場で歌唱楽曲を決める“ときめきルーレット”が登場!! 恋をテーマにした曲が8曲書かれたルーレットを杏と菅田が回し、「ラヴなのっ♡」、さらにメンバーがサインボールを投げ込みながら「きみに夢中ガール」を歌唱。最後はマイクを使わず、坂井が先導する“たくさんの愛をありがとうございました”の挨拶を全員でして、メンバーはステージをあとにした。
取材:東條祥恵
※写真はDAY 1、DAY 2の両公演から選定した写真を掲載しています。
超ときめき♡宣伝部
チョウトキメキセンデンブ:スターダストプロモーションに所属する辻野かなみ、杏ジュリア、坂井仁香、小泉遥香、菅田愛貴、吉川ひよりからなる6人組の正統派アイドルグループ。2019年4月にエイベックスよりデビュー1stシングルをリリースし、20年4月にグループ名をときめき♡宣伝部から超ときめき♡宣伝部に改名。同年にZepp Haneda(TOKYO)のこけら落としとなるワンマン公演を開催し、1stアルバムを発売した。21年には、TikTokで「すきっ!~超ver~」が大きな話題となる。22年5月に横浜武道館でこけら落としワンマン公演を開催。6月にミニアルバムを発表後に全国ツアーを完走。10月には幕張メッセ イベントホールでワンマンライヴを大成功させた。23年4月に東阪の野外音楽堂でライヴを開催し、5月にシングルを発表後は自身最大集客数の全国ツアーを開催。ツアーの間にはインドネシアで開催されたイベントへも出演。9月にシングル「かわいいメモリアル」をリリースし、11月には映画『メカバース:少年とロボット』の主題歌「Sora」を発表。24年1月にはアルバム『ときめく恋と青春』をリリース後、横浜アリーナ2デイズ公演『行くぜ!超ときめき♡宣伝部 at 横浜アリーナ!』を開催する。