オープニングのセッションからとんでもないグルーブだった。抜群のテクニックとずば抜けたセンスがFUZZY CONTROLの最大の武器だが、それ以上に強力なものを彼らは持っている。“音楽が大好きで愛している”というパッションだ。ステージ上で満面の笑みを浮かべてプレイしている3人を観ているだけでも、心底に音楽を楽しんでいることが分かる。そしてフロアもまた、1曲目から容赦なくぶっ放される強烈なロックサウンドに大きく揺れていた。つまり、3人に負けず劣らず、オーディエンスも音楽が大好きで愛しているということだ。そのせいか、目の前ではエネルギッシュなロックライヴが繰り広げられているのだが、そこにはフレンドリーな空間が存在しており、熱さ以上に温かいものが感じられた。そんな中、バンドとしての変化も感じさせたのは、昨年12月にリリースされたニューシングルの「latest」。ロッククラッシクスのDNAを受け継いだフレージングが彼らの持ち味でもあるが、極めてシンプルでタイトなアンサンブルが伸びやかなメロディーを前面に押し出し、場内にさわやかなサウンドを送り込んでいた。ある意味、それは次のフィールドに向けての新たなるアプローチだと言えるだろう。逆にテクニカルなプレイが光ったのは、初期のナンバーで構成されたメドレーだ。古き良き時代のロックのエッセンスを含んだダイナミックなグルーブに客席のテンションが引き上げられ、後半戦への起爆剤となったことは言うまでもない。そして、クラップや大合唱を伴って、両者笑顔で幕を下ろしたライヴ。“ロックバカ”という言葉もあるが、それだけいろんなものを解放して、音楽を満喫したバンドとオーディエンスの姿がココにはあった。