“戦うように、楽しんでくれ!”。谷中 敦(Bs)の決め台詞が、やけにハマった。ココは両国国技館。会場前には、“東京スカパラ国技館”とメンバー各自の名が入った“のぼり”が、隅田川から流れ込む風にたなびく。売り場を覗けば、湯のみや、SKA文字が刻まれた饅頭といった土産が並び、ワールドワイドに活動するスカパラからすれば、アジア日本公演といった感じで異国情緒でシャレっ気満載。そして、升席は特製スカパラ座布団付き。スカイブルーに白字で大きく書かれたロゴの上にあぐらをかいて座ってみる(当然靴を脱ぎます)。本来、土俵のあるセンターがステージで、観客は四方を囲む。そして、壁には横綱級力士のパネルが貼られ睨みをきかす。始まる前から、いろんな意味でワクワクが止まらない。SEに入って各コーナー(四方)からステージに上がる姿は格闘技さながらで、歓声が降り注ぐ。幕開けは、1stアルバムから「ペドラーズ」。古臭さなど感じさせずテンション上げての踊りまくりだ。さらなる興奮は「トーキョースカメドレー」での回転ステージ。それまで、背中や横面だった向きへ回っちゃ止まりのご挨拶、逆回転もありのご愛嬌。メンバー各自は飛び跳ね回り、ジャニーズライヴばりに観客も大騒ぎ。そして、クールダウンは沖 祐市(Key)がひとりで奏でた口笛&アコーディオンの「君と僕」。過ぎた時間を回想するには十分すぎるほどに、ほろ苦い。終盤戦、「美しく燃える森」はホーンお休みのインスト。沖がメインでメロディーを奏で盛り上げる。直後のMCは、“千秋楽の気持ちだよ。ポスターにSKAが国技になったとか書いてあったけど...ほら、たくさんの優勝力士が見つめてるよ。パラダイスだぁ”と、茂木欣一(Dr)が心得たしゃべりで沸かせる。あとは、「愛の讃歌」まで突っ走りきる。アンコール入りでプラカードよろしく、座布団を掲げる観客の姿は今でも目に焼き付いてる。そして、「流星とバラード」で同じ黄色のスーツでステージに上がるは、シークレットゲスト奥田民生だ。大絶叫、大興奮! さすがに登場一発でみんな持っていく。おかしなポーズ振りまいて、おどけて全方位に歌い駆け回る。そして、第一声がこれ、“ゲッツ!”。“なんで、僕アンコールなの? みなさんの熱い声にお応えしてやるもんでしょ?”と、くだけ方も一流で大爆笑。意外な選曲「めくれたオレンジ」まで披露して華を添え去った。メンバー各自が挨拶を語る中、“子供の頃から弱くて、若干、乗り物酔いしてます。”とNARGO(Tp)が笑いを誘い、歌い締めは「Paradise Blue」。だが、場内アナウンスに鳴り止まないダブルアンコール。照明さんも一緒に、ライトをパカパカ煽る。20周年度最後はメジャーデビュー前の曲「スキャラバン」で大輪を咲かせメモリアルを締め括った。