舞台上に敷かれた絨毯に寝そべりながら挑発的に歌ったり、“みんなは好きな人いるの? 恋とかしてる?”と何気ない話を観客に投げかけて反応を楽しんだり、バンドメンバーの心地良い演奏に体を揺らし、無邪気に飛び跳ねたりとCharaは自由に楽しむ。その姿は、己を開放することで観客との絆を深めているように思えた。
最新アルバム『CAROL』を軸に行なわれてきたツアーも残すところ、今日と明日の2日間。独創的な重ね着のワンピースをまとったCharaが颯爽と登場し、1曲目「Gift」から客席にハイトーンな叫びを浴びせると会場が沸いた。そっと寄り添うようなウィスパーヴォイスだけでなく、躍動感あふれる力強い歌声を響かせ、楽曲の世界を広げていく。代表曲のひとつ「やさしい気持ち」はもちろん、メドレーで「call me」「Junior Sweet」などを散りばめ、歳月が経っても色褪せずに存在する楽曲たちにCharaの一貫した愛を感じずにはいられなかった。
さらに誕生日を迎えたスタッフへのサプライズソングが飛び出したり、気合いの入った舞台監督が目の上にたっぷりとラメを塗って終始ライヴに臨んでいたなど、Charaを囲むスタッフ、バンドメンバーも愛に満ちていると実感。今夜のラストナンバーは出発をテーマにした「Tiny Tiny Tiny」。このステージは終わってしまうかもしれないが、これからも彼女は素晴らしい楽曲を生み出し、その度にこうやってひとりひとりに届けようとする。そう考えると、終わりは同時に始まりを告げる楽しみに変わっていた。