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LIVE REPORT

ストレイテナー

『STRAIGHTENER CREATURES PARADE TOUR』

2010年06月19日
@JCBホール

控えめな感じかと思いきや、往復するうちに強く主張してくる楽曲たち。聴き手の胸中にじわじわと込み上げてくる熱。音楽ですら消費されやすい状況下で、確固たる存在感を放ったストレイテナーの最新アルバム『CREATURES』。自由度が増し、聴くほどに興奮を覚える本作を携えてのツアーもセミファイナルを迎える。ツアーが間もなく終わってしまう寂しさと各地を回り何を得てきたのかという期待感が交錯する中、おびただしい熱をまとう「MEMORIES」の1曲目から衝撃を受けた。スケールアップした楽曲の世界観が一気に押し寄せ、オーディエンスの心を掴んでいくのだ。全身を使い激しくドラムを打ち叩くナカヤマシンペイ、心地良いリズムを刻むベースの日向秀和、高揚するポイントを的確に押さえたギターの大山 純、感情を放出するギターをプレイしたり、繊細な音色をピアノで奏でるホリエアツシ。4人それぞれの個性に磨きがかかり、それが合わさって生まれるグルーブは素晴らしいとしか言いようがない。“好きに体を動かして乗ってください”のホリエを合図に始まった「OWL」では、観客も解き放たれたようにいっそう自由に曲を楽しむ姿が印象深く、さらに終盤に差し掛かっての「BERSERKER TUNE」「Little Miss Weekend」「TRAIN」の怒濤の3連発に会場は大きく波打ち、本編を締め括った「瞬きをしない猫」まで何とも言えぬ絶景が広がった。
突き刺すギターを軸とした起伏の激しい楽曲から、一貫して美しい旋律を守り通す楽曲まで、自らの幅を押し広げて束の間の非現実世界をここまで構築してしまうストレイテナーに改めて感服した。