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LIVE REPORT

Chicago Poodle ライヴレポート

【Chicago Poodle ライヴレポート】『Chicago Poodle 10th Anniversary Tour -FINAL-』 2019年10月20日 at 大阪ビジネスパーク円形ホール

2019年10月20日
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今年3月にメジャーデビュー10周年を迎えたChicago Poodleが、これを記念したツアー『Chicago Poodle 10th Anniversary Tour』の最終公演を10月20日、大阪ビジネスパーク円形ホールにて開催。彼らの地元・関西で繰り広げられた特別な一夜を紹介する。

期待に膨らむ観客を過去の楽曲をコラージュしたSEで出迎え、暗闇からメンバーが浮かび上がるように現れてメモリアルな夜は幕開け! 情熱的なサビ始まりの「ありふれた今日の特別な場面」からアッパーなナンバーを連投し、フロアーのボルテージをぐんぐん上げていく。3人のサポートメンバーととに作るのは、鼓動のようなビートやエキゾチックなサウンド。また時にそれらはスリリングかつ攻撃的にもなって、客席は早々に総立ちに。すると今度は名曲へのオマージュが詰まった「君の笑顔がなによりも好きだった」から多面的な魅力も発揮。軽快な“散歩ソング”や流麗なバラードにつなげ、観客のテンションを高め続ける。

そんな高揚を一旦クールダウンするように、ここで彼らのラジオ番組でもお馴染みの“即興誕生日ソング”のコーナー。辻本健司(Ba)のヴォイスパーカッションで山口教仁(Dr)がラップ的ヴォーカルを披露して笑いとアットホームな空気を生み出すと、次は「1225」からアコースティックの時間へ。やさしい音色はもちろん、3声のハーモニー、山口の語りパート、花沢耕太(Vo&Pf)の関西弁のヴォーカルなど聴きどころは満載で、心をホッとさせたり胸をグッと締め付けたり。そんな湿度の高いムードは「決意」といったバラード2曲でますます感情的になり、しっかりと言葉が届くラブソングはがっちりとファンをとりこにする。

また、MCタイムで花沢は“どの曲でChicago Poodleと出会ってくれましたか?”と問い掛け、“もっともっとみなさんと出会える曲を作っていこうと思います”と語りついにラストスパートへ。それは曲名のごとく風のようなピアノが彩る「春風トレイン」でポップに始まると、「Fly〜風が吹き抜けていく〜」が作る上昇気流に乗って拳を突き上げる人の姿も。加えて全メンバーの切れ味鋭いソロタイムで煽ってデビューシングル「ODYSSEY」が鳴り出せば、そのパワフルなピアノロックに手拍子もどんどん大きくなり、「シナリオのないライフ」ではコール&レスポンスが一体感を育む。そして、“僕らからのメッセージです”(花沢)と、最後は10年間の歩みと思いを描いた「One Voice」をセレクトし、3人のアドリブリレーや全員での“wo×3”の大合唱で会場をひとつにして、何とも華やかなフィナーレを迎えた。

しかし、台風19号による名古屋と東京の振替公演を残すものの、名目上はツアーファイナルだけに今夜はダブルアンコールのスペシャルサービス! 花沢がソロで弾き語る「愛と呼べる言葉」や多幸感もある「ツナグモノ」など4曲が放たれる。最終曲は「桜色」で、そのオーラスでは《君に出会えて ほんとにありがとう》のアカペラが轟き、会場を大感動が包む中、『Chicago Poodle 10th Anniversary Tour』はゴールに到達した。

ちなみに最後のMCでは...
辻本:(前出の花沢のMCを受けて)そうか。それぞれに大切な一曲一曲があるんやなって思いまして、それやったら(今後も)まだ出会ってない方に大事な一曲を作っていけばいいだけやな!って改めて思いました。
山口:この10年で聴いてくれる人を思いながら曲を作ることができるようになったと思います。これからもそんな風に曲を作っていけたらいいなと思っています。みなさんの生活に今後も寄り沿わせてください。
花沢:ふとした時に聴いてみようと思える音楽をこの先も目指していきたいと思います。来年は11周年。ワンワン周年...Chicago Poodle周年です(笑)。ぜひこれからも応援よろしくお願いします!
...と、それぞれに11年目からの目標を話してくれた。10周年の節目を経てさらにパワーアップするChicago Poodleに期待大だ。

撮影:山口 渚/取材:服田昌子

Chicago Poodle

シカゴプードル:精力的にライヴ活動を続ける中、コンスタントに作品を発表し続け、09年3月にシングル「ODYSSEY」でメジャーデビューを果たした。80年代洋楽ポップスが持つ懐かしくも切ないメロディーラインや花沢の伸びやかな歌声、山口&辻本のリズム隊が織り成すアーバンなアンサンブルから“ピアノ名曲工房バンド”と評されている。