2017年に全国5大ドームツアーで本格的に再始動。2018年6月には日産スタジアム3DAYSを行なった東方神起が最新オリジナルアルバム『TOMORROW』を引っ提げ、全国8カ所24公演のアリーナツアー&東京ドーム4公演、京セラドーム大阪5公演を開催。12月3日の東京ドーム公演でユンホ、チャンミンは、新たな音楽性と取り入れた『TOMORROW』の楽曲を中心に、さらに進化したパフォーマンスを繰り広げた。
オープニング映像は、ユンホ、チャンミンが扮する義賊”Mr.TOMORROW”のストーリー。アメリカを舞台に、貧しい人々、資金不足の病院などに金銭を分け与えるふたりの活躍を描いたあと、『TOMORROW』の収録曲「Yippie Ki Yay」からライヴはスタートした。さらにチャンミンのハイトーン・ヴォーカルが響き、ユンホのラップが炸裂する「Showtime」、80'sリバイバルを取り入れたポップナンバー「Get going」などのカラフルな楽曲が続き、華やかなエンターテインメントを体現していく。
その後もライヴはMr.TOMORROWの物語とリンクしながら進行。ストーリーに沿った楽曲が次々と披露され、まるで映画を観ているような感覚になる。これまでの東方神起のステージは、派手なダンスチューンをノンストップで放ちまくる場面が多かったが、今回のツアーでは全ての楽曲を丁寧に表現。初めて本格的に女性ダンサーが参加するなど、ライヴというよりショーに近い雰囲気を生み出していた。特に「Road」の歌唱は圧巻。“君がいるから進んでいける”という想いを込めた歌が真っ直ぐに届き、ドーム全体を大きな感動で包み込んだ。
ソロコーナー(ユンホはセクシーに踊りまくり、チャンミンはアコギの弾き語りを披露)を挟み、ライヴは後半へ。ムービングステージの上でダンサーとともに激しく踊り歌うパフォーマンスは、まさに彼らの真骨頂。鍛え上げられた肉体が躍動、エモーショナルな歌声が響き、観客のテンションも一気に頂点に向かった。
アンコールでは、帆船を模した気球に乗って場内を1周するなど、東方神起らしい大スケールの演出も。“僕たちの音楽がMr.TOMORROWの役割になってくれたら嬉しい”(チャンミン)、“これからもたくさんの素敵な音楽を届けて、みなさんとつながっていきたいと思います”(ユンホ)と話すと、会場からは大きな拍手と歓声が巻き起こった。演出、ステージングを含めて、新しいトライを取り入れた『TOMORROW』ツアー。激しいだけではない、豊かな表現力を備えた“最新型の東方神起”を体感できる、意義深いステージだったと思う。
取材:森 朋之
東方神起
トウホウシンキ:“東方神起”とは“東方の神が起きる!”という意味で、アジア全域から世界にその名を広げられるグループとして命名された。東方神起のメンバーYUNHO、CHANGMIN、JEJUNG、JUNSU、YUCHUNの5人は、2004年2月に韓国でデビューすると同時に、一躍10代コーラスグループとして絶大な支持を受ける。日本においても05年4月にデビューするが、10年4月に活動休止。10年11月末、音楽活動を自制していたYUNHOとCHANGMINにより、当面の間2人による東方神起の再活動が発表され、再始動を果たした。