寿君の東名阪ツーマンツアー『not Alone TOUR〜一人じゃない〜』が5月23日の代官山UNITで幕を閉じた。メジャー1st EP『一人じゃない』を携え行なわれた本ツアー。ここ東京では大阪の後輩APOLLOとGuest SoundにRED SPIDERを迎え、関西ダンスホールシーンの激熱の様相を魅せた。それは同時に今後の寿君の向かう先やそこを目指す意義、次フェイズへの決意と意志、行動が明示された一夜のようにも映った。
まずはAPPOLOが登場。特有のハードさと温かさを共存させたDeeJayスタイルを次々と駆使し会場を沸かす。さすがは寿君とともに激戦区大阪レゲエ界で揉まれラージアップしてきた猛者。自己紹介チューン「A.P.O.L.L.O」、会場にワイパーを生んだ「プレミアム」、愛しさを会場中に広げた「あいあいパラソル」、携帯ライトとともに歌われた「Solar man」、「GET BUSY」等がフロアーを最後まで並走させた。続いては寿君の名付け親RED SPIDERへ。これでもかと会場を煽り、強引にでもアゲにかかるセレクター兼MCのJunior。コンプライスなんてなんのその、カチコミにも近いそのマナーは圧巻であった。
最後の寿君は会場をグッとステージへと引き寄せるように、感謝とこれからも一緒に行こう&絶対に離さないと歌われた「オレトオレバ」をはじめ、「Winner」「GENERAL」とメジャーデビューEP『一人じゃない』からの曲も歌ってくれた。また、得意の夏チューンズも会場の温度を急上昇させていく。中でも7月16日発売のニューアルバム『ニューレベ』から「あー夏休み」の初披露は白眉。TUBEの国民的ヒット曲をサンプリングし、ソカmeetsサンバなリディムにて、あの情熱さを上手く活かした躍動感のあるチューンに蘇らせていた。後半は「自由に舞う」「オレガヤレバ」等、“俺はこれからもこのスタイルを貫きやり続けていく!”との歌による誓いが続けざまなされ、フロアーも呼応や大合唱で気持ちを重ねていた光景も印象深い。
この日何度も口にした“レゲエを夏だけじゃなく1年中、常に街に流れている音楽にしたい”との目標。その言葉を実現すべくフロアとステージが一丸となり歩んでゆく固いアライアンスが交わされたのも心強い一夜であった。
撮影:Real☆Shot MASATO/取材:池田スカオ和宏
寿君
コトブキクン:2006年に出身地である奈良県でマイクを握り始め、2010年に“寿君”に改名。iTunesランキングやオリコンなどで上位を果たすなどインディーズで数々の記録を残し、YouTubeにアップされたPVは現在100万再生越えが10曲に到達! Twitterフォロワー数も8.5万人に到達し20代を中心にその影響力も大きい。