Uta-net

ライブレポート

検索

メニューを開く

LIVE REPORT

Plastic Tree

『Plastic Tree 「ゆくプラ くるプラ」振替公演「ゆくプラ きたプラ」』

2011年06月22日
@TOKYO DOME CITY HALL

始まりはとても静かに訪れた。妖しく、わずかに舞台中央を照らす光の中で繊細な旋律と憂いを含んだ歌声がこだまする。鮮明ではない視界で聴覚を研ぎ澄ますことによって表れる歌の世界観...何気なく触れた途端に跡形もなく消えてしまいそうに脆く感じ、慎重に一音一音を慈しんだ。そんな独自の音楽性で観客をもてなすと、「無人駅」「涙腺回路」では躍動的なバンドサウンドでオーディエンスを煽り、高ぶる感情のままにインスト曲「―――暗転。」へとたたみかける。懐かしい曲と宣言して「エーテルノート」からの後半戦。熱量の高い楽曲に、冒頭の儚さや繊細さは微塵も感じられない。それだけ曲ごとに振り切ることで自己を表現しているのだ。しかし、欠片は各々違う色でもひとつの集合体になった時のパワーは力強い。ライヴを観終えた後のこの充実とした気持ちがそれを物語っている。