今年6月、“生と死”、そして“ライヴ”をテーマとしたミニアルバム『LIVE A LIVE』をリリースしたヒステリックパニック。最新作を掲げて8月よりスタートした、レコ発ツアーの東京公演が11月5日にTSUTAYA O-EASTにて開催された。東京で行なうワンマンとして最大のキャパとなる会場に、気合い十分で挑んだ5人。“頭のネジを外して来いよ!”と観客を煽ると、シャウト一発でフロアーをめちゃくちゃに掻き回し、フロアーを地獄へと変貌させた。
全国26カ所で行なわれている『LIVE A LIVE』レコ発ツアーもあとわずか。ツアーで鍛え上げた強靭な歌と演奏で魅せた「ファッキンホット」でライヴがスタートすると、耳をつんざくシャウトや轟音ともみくちゃになって暴れまくる観客で、会場が一気に地獄と化す。さらにこの雰囲気には似つかわない可愛い猫の手と《にゃんにゃん》の声が場内に渦巻いた「ねこ地獄」、おかっち(Ba)のチョッパーととも(Vo)の高速ラップで勢い良く始まった「Head Bang!」にフロアーがヘドバンで波打ち、会場は序盤から強烈な熱気に包まれる。
“暴れたかったら暴れろ! その瞬間を大事に、1秒も無駄にすんなよ!!”とともが熱く告げると、披露したのはリリース前の新曲「Shut up」。凶悪スクリームにTack朗(Gu&Vo)のハイトーン、やっち(Dr)の高速ビートに乗せた$EIGO(Gu&Cho)の鋭いカッティングと、彼らの持ち味を存分に詰め込んだ新曲は初披露とは思えぬ盛り上がり。さらに「ガチ恋ダークネス」「月曜日が始まんで~」などの『LIVE A LIVE』収録の新曲たちもしっかりライヴ仕様に仕上がっており、ライヴバンドとしての逞しさと自信を感じさせる。
ともの真剣なMCと悲痛なシャウトで想いを伝えた「Holograph」、“自分のためにしか音楽をやってないけど、次の曲は君たちに全力で届けます”と気持ちを込めた歌と演奏で聴かせた「しぐなる」と、シリアスな面を見せると、最高にバカバカしい「全日本ぬるぬる音頭」で沸かせ、ヒスパニのさまざまな表情を見せた終盤。常軌を逸した盛り上がりでラストを飾った「WILL」に、彼らの本気を見た。
撮影:タマイシンゴ/取材:フジジュン
ヒステリックパニック
ヒステリックパニック:超絶ハイトーンのTack朗×凶悪スクリームのとも×極上コーラスの$EIGOのトリプルヴォーカルが織りなす唯一無二のハーモニーは中毒性抜群。ラウド、エモ、ハードコア、メタル、J-POPと、ジャンルの垣根を気軽に飛び超えながら音を紡ぐ、通称“ヒスパニ”が新たに生み出す、これが最新式のエクストリームなJ-POP。2015年4月にシングル「うそつき。」でメジャーデビューを果たした。