3回目となる『Fuki Fes.』。今回も盟友のMao(Key)をはじめ、ISAO(Gu)、長谷川淳(Ba)、下田武男(Dr)といったHR/HM界屈指の最強の布陣が脇を固め、1曲目からFuki(Vo)のシャウトが炸裂! そして、そのまま一気にハイテンションなナンバーを4曲ぶっ飛ばす。プレイヤー陣のテクもさることながら、Fukiのパワフルなヴォーカルであり、パフォーマンスはさすがだ。
のっけからライヴのイニシアティブを握ると、“今日はアンコールはありません! 本編だけでがっつり走り抜けたいと思います!”と宣言し、ドライブするギターが攻め立てる「僕が生きる世界」でさらにアクセルを踏み込む。これに観客は拳を突き上げ、コールで応戦し、場内の熱気が加速度的に高まっていく。その後も“今日はみんなを抜け殻にするのが私の役目”と1stアルバム『Welcome!』の曲を中心に新曲やカバーを次々と投下。途中、Gacharic SpinのギタリストTOMO-ZOをゲストに迎え入れると、TOMO-ZOが普段弾かないメロディックメタルということでHelloweenの「Eagle Fly Free」とふたりが所属するDOLL$BOXXの「KARAKURI TOWN」を披露。ISAOとTOMO-ZOのスリリングなツインギターは本公演の観せ場のひとつとなった。
また、“ハイライト”ということでは初披露の新曲「SUMMER HOLICS(仮)」もだろう。硬派なメタラーたちに《あの娘が欲しい 海に行きたい》と大合唱させ、さわやかでピースフルな空間を作り上げたのだから。そんな2時間を走り抜けたライヴも“本気、見せてくれー!”という煽りからオーラスの「Sail on my love」へ。キャッチーなスピードナンバーにステージもフロアーも完全燃焼し、『Fuki Fes. Vol.3』は大盛況のうちに幕を下ろした。
撮影:當摩果奈絵/取材:土内 昇
Fuki Commune
フキ・コミューン:2014年12月に無期限活動休止となったLIGHT BRINGERの紅一点ヴォーカリスト、Fukiのソロプロジェクト。“Fukiとその仲間たちがひとつの共同体を形成するイメージ”がプロジェクト名の由来。日本の若手ヘヴィメタル界でも群を抜いた声量と、突き抜けるハイトーンヴォイスには定評がある。また、天外冬黄(テンゲフユキ)名義でUnlucky Morpheusにも所属し、コミックマーケット等でのファンとの交流を08年より続けている。