MIYAVIというアーティストは徹頭徹尾、挑戦者であると思う。デビュー15周年記念のライヴツアーを都内15カ所で開催するのも異例なら、その全てにゲストアーティストを招いた対バン形式で行なうというのも彼クラスでは珍しい。このスタイルだけ見てもMIYAVIのチャレンジ精神が分かろうというものだろう。
最終日の東京・新木場STUDIO COASTには事前に告知されていた三浦大知に加えて、シークレットゲストとしてKREVAが登場。それぞれシンガーである一方で、ギタリスト、ダンサー、ラッパーであり、しかも各々の世界でトップレベルのパフォーマーの揃い踏みという、ツアーファイナルを祝すかのような超豪華共演となった。ハイライトはタッピングギター VS 高速ラップ=“MIYAVI vs KREVA”による「STRONG」、アンコールでの三浦大知のキレキレのダンス&ソウルフルな歌とのセッション「Cry&Fight」と新曲、そして最後に3人で披露した「What's My Name ? - Day 2 mix」といったゲストとの“競演”ではあったが、ドラマー、DJと対峙するMIYAVIのギターはそれ以外でも終始スリリング。いい意味でキリキリとした緊張感を持続させつつ、それでいて場内に得も言えぬ一体感をもたらすカリスマチックな演奏は流石に堂々たるものであったことは強調しておきたい。
“人種、言葉、肌の色の違いを乗り越えていけると思って音楽をやっている”とMIYAVIは言ったが、今回の対バンツアーはその具現化のひとつでもあっただろうし、これを2020年にオリンピックが開催される東京で行なった意義は十分にあったと思う。
撮影:Yusuke Okada/取材:帆苅智之
MIYAVI
ミヤヴィ:1981年生まれ、大阪府出身のソロアーティスト/ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという、独自の“スラップ奏法”でギタリストとして世界中から注目を集め、これまでに北米・南米・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアなど約30カ国250公演以上のライヴを行なっている。13年6月には自身のアーティスト名を冠した世界デビューアルバム『MIYAVI』をリリースし、アジア、ヨーロッパ、北米など世界各国でリリースされワールドツアーと共に話題を呼んだ。また、アンジェリーナ・ジョリー監督映画『UNBROKEN』も出演し、俳優としてハリウッドデビューも果たしている。