Uta-net

ライブレポート

検索

メニューを開く

LIVE REPORT

Brian the Sun

【Brian the Sun】『TOUR 2017「パトスとエートス』 2017年05月27日 at 恵比寿LIQUIDROOM

2017年05月27日
@恵比寿LIQUIDROOM

明らかに本調子ではない森 良太(Vo&Gu)の歌にヒヤヒヤさせられた瞬間もあったものの、“調子悪そうでしょ? 元気です。ぶっ壊れてもいいから歌います”と体に鞭を打って最後まで歌い切るガッツを見せつけ、全国17カ所を回ったリリースツアーのファイナル公演は結果、とてもいいライヴだった。本人たちは悔いが残ったかもしれないが、そこには若いロックバンドならではの向こう意気も感じられた。ともすれば斜に構えているように見えるところもあるBrian the Sunも芯にはたしかに熱いものを持っている。その意味では、今年1月にリリースしたメジャー1stアルバム『パトスとエートス』の曲を軸に新旧のパトス(衝動)サイドと言えるアップテンポの曲でまとめたセットリストの効果も大きかったはず。中盤では7月5日にリリースするミニアルバム『SUNNY SIDE UP』から表題曲に加え、「ねこの居る風景」「隼」も披露。10月には結成10周年を記念して、東京と大阪で『10th Anniversary 「ブライアンフェス」』を開催することも発表した。バンドはすでに新たな一歩を踏み出している。テンポをグッと落としてもたるまない「ねこの居る風景」の演奏は、実はこの日の隠れた聴きどころ。“全部ここに置いていこう”と森が言ったアンコールの「ロックンロールポップギャング」では客席から大きなシンガロングが沸き起こった。それに鼓舞されたのか、客電がついても帰らない観客に応え、“そんなに聴きたいなら何曲でもやったるわ!”とステージに戻ってきた4人は「君の声」を演奏して、ダメ押しで渾身の熱演を印象付けた。

Brian the Sun

ブライアン・ザ・サン:2007年、大阪で結成。『閃光ライオット2008』で準グランプリを獲得するも、直後に活動休止。09年に活動を再開し、メンバーチェンジやパートチェンジを経て11年4月より現在の編成となる。コンスタントな制作、ライヴ活動で全国に名を広め、16年6月にテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマ「HEROES」でメジャーデビューを果たした。

撮影:ヤマダマサヒロ/取材:山口智男