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LIVE REPORT

中村一義

『エドガワQ2017~ERA最構築~』

2017年02月18日
@江戸川区総合文化センター

“エドガワQ2017 ~ERA最構築~”と謳い、あらかじめ内容を明かしつつ、2000年に発売された3rdアルバム『ERA』の単なる再現ではなく、“最構築=最高の再構築”と自らハードルを上げたうえで、それを軽々と超えるライヴにしてまったところに現在の中村一義と彼を含む大所帯バンド海賊の底力が感じられた。

『エドガワQ』は中村が生まれ育った東京・江戸川で14年から開催しているコンセプト・ライヴ。3回目の開催となる今回は前述した通り、アルバム『ERA』の最構築ライヴとなった。「ERA」のカウントダウンから軽快なロックンロールの「1,2,3」につなげ、サビの“1,2,3,4”を早速、指の振り付きで観客と一緒に歌うと、 “人生で初めて人前で歌った”という「ピーナッツ」やストリングスをフィーチャーした荘厳な曲調をバンドサウンドにアレンジした「ゲルニカ」など、“最構築”ならではのチャレンジも交えながら、時にロックンロールに、時にサイケデリックに、時にソウルフルに『ERA』の全20曲を曲順通りに披露。『ERA』が持つ実験精神が入り混じるポップな魅力を、ダイナミックなバンドサンドの中に見事に描き出した。奇しくも(?)この日は中村の42歳の誕生日。“次の曲はお祝いの曲じゃないですか。恥ずかしいんですけど、僕の誕生日を祝ってもらってもいいかな?(笑)。サビ(を一緒に)歌ってね(笑)”と客席に語りかけてから歌った「ジュビリー」は、中村にとってもファンにとっても特別なものになったはず。

第一部ラストの「素晴らしき世界」の余韻を味わいながら、第二部は“20周年イヤ一発目のライヴは、第1歩を忘れないということでデビュー曲やります!”と「犬と猫」でスタート。“みんなで一緒に歌おうぜ!”という呼びかけに“ウォウオー・ウォウオー”とファンがシンガロングで応えると、中村は自身が声優ユニット、ワンリルキスに提供した「ワンリルキス」のセルフカバーを、アイドルっぽい振り付きとともに(?)初披露。そして、若干、驚きの混じった喝采を受けながら、中村とバンドは一気にクライマックスに突入。海賊のテーマとも言える「スカイライン」「永遠なるもの」とたたみかけ、ラストは病気療養から復帰したHermann H.&The Pacemakersの岡本洋平、中村の愛犬・魂(ゴン)も含め、大海賊の面々が勢揃い。ライヴアンセム「キャノンボール」を披露して大団円!! 今回の『エドガワQ』は見どころ満載なうえに、これまでに以上にスペシャルなイベントになったのだった。