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LIVE REPORT

GOOD ON THE REEL

『GOOD ON THE REEL presents「HAVE A "GOOD" NIGHT」』

2015年07月31日
@恵比寿LIQUIDROOM

7枚目のミニアルバム『七曜になれなかった王様』を引っ提げ、東名阪各2日間(1日目はツーマン、2日目はワンマン)ずつ行なったツアーの最終公演。“何気ない日常”を歌ったという同アルバムは、まさに聴く者の何気ない日常に色を付けてくれるような作品で、ゆるりと心の隙間に入り込んでくる。絶妙な呼吸感で披露されるアップテンポな「夜にだけ」や、じっくり聴かせる「限りなく透明な」などの新曲たちが、早くもライヴを色鮮やかにしてくれる力強い武器になっていたのが印象深い。目を覆ったり、頭を抱えたり、飛び跳ねたりといつものように全身を使って感情的に歌い上げる千野隆尋(Vo)や、頭を振り乱しながら熱を持ったプレイをするバンドメンバーの姿が印象的だが、花のように会場内を彩る天井から吊るされたたくさんのカラフルな傘も、照明が当たるたびに目を楽しませてくれた。

“戻れないからこそ、掴めないからこそ、思い出っていうのは輝くんだと思います”と千野が言っていたが、GOOD ON THE REELの楽曲たちはリリースや活動を重ねるごとに最高傑作を更新していくというよりも、大切にしたい思い出が増えていく感覚に近い。不思議な生命力が漲った楽曲たちを、オーディエンスは一音一音を大事に噛み締めるように聴き入ったり、手を挙げたり、思い思いに楽しんでいた。そして、みんなの背中を押して帰りたいと応えたダブルアンコール。千野の“素晴らしき今日を始めよう!”という言葉通り、ここからまた新たな幕開けを宣言するかのように「素晴らしき今日の始まり」で華々しいラストを締め括った。