オーラス前のMCで“4年前、ここに戻ってきたらPERSONZをやめようと思った”と正直な気持ちを語り始めたJILL(Vo)。しかし、武道館のステージに立って、ここからの景色を観て出た言葉は“またこの4人で新しい夢に向かっていいですか? 今日がそのスタートです!”。夢の凱旋のドラマの第二章が始まりを告げた瞬間であるーー。
4年前の東北地方太平洋沖地震を受け、当時の閉塞感に満ちた世の中に対して“夢の凱旋”を宣言した、デビュー30周年記念であり、24年振りの武道館公演がついに現実のものとなった。この4年の間にさまざまなドラマがあったことは言うまでもなく、それだけにメンバーであり、ファンの想いはひとしおで、その感情は1曲目から最高潮に達する。客席を見渡しながらパワフルな歌声とポジティブなメッセージを届けるJILL。そして、本田 毅のソリッドなギターが爽快に駆け抜け、渡邉 貢のベースがずしっりと響き、藤田 勉のドラムがタイトなビートを刻む。キャリアを重ねたPERSONZサウンドは勢いはもちろん、溜めも深みあって、湾岸戦争に向けて“NO MORE WAR”と唱えた「PRECIOUS LOVE」をはじめ、時代を彩った数々の代表曲をさらに輝かせ、客席のテンションを何度も爆発させていく。特に圧巻はWアンコール。“友達に助けられる前に自分で立ち直らなければいけない”と「ALONE」を圧倒的なヴォーカリゼーションとスケール感で聴かせ、“ひとりじゃない”と高らかに歌うラストナンバー「DEAR FRIENDS」で会場全員の感動を誘った。そして、全メニューを終えてJILLがひと言。“またここでやりたいです。またひとつ夢が増えました!”。まだ“ROAD TO BUDOKAN FINAL”の旅は終わらない...。