“氷室京介”としてのライヴ活動の休止を発表した氷室京介が、全国ツアー38都市50公演目の『WOWOW presents KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary TOUR GREATEST ANTHOLOGY -NAKED- FINAL DESTINATION』最終公演を横浜スタジアムで迎えた。前日のリハーサルで転倒し肋骨を骨折し、当日は本編終了後のアンコール時に会場周辺に落雷があり中断。まさに、神様はまだ氷室京介を辞めさせてはくれないといった一夜だった。印象的だったのは、どしゃぶり寸前な空模様の中、1988年のBO?WY解散後、持ち曲が少なかった最初のツアーで披露された吉田拓郎のカバー曲「たどりついたらいつも雨ふり」を再び歌ったこと。この曲の歌詞と、彼の心象風景がリンクしすぎてグッときた。さらに、ソロデビューアルバムに収録された“あの時期にしか書けなかったお気に入りの曲”という「DEAR ALGERNON」や、BO?WY時代から所属していた事務所を独立した転機に作った「魂を抱いてくれ」など名曲を続々と披露。
アンコール中の落雷後、1時間を経過して再びステージに戻ってきた氷室は“今日は本当に申し訳ない、プロとして。怪我をしていてこれ以上できないけど、このリベンジはどこかで必ず。こんなに情けない人間をもう1回支えてくれる連中が集まってくれたら、いいなと思います”と語り、アンセム「ANGEL」で“これまで何百回も歌ってきたけど、命がけで歌います!”と全23曲を締めた。来年、さよなら公演を行なうことも宣言した氷室京介は果たしてどこへ向かっていくのだろうか。レコーディング活動は続けていくはずなので、さらなる活躍に注目したい。