今年、ソロ活動10周年を迎えたYUKI。JUDY AND MARY解散ライヴ以来、11年振りの東京ドーム公演。そして、バンドとソロの両方で東京ドーム公演を行なった女性アーティストは史上初。この日のライヴは、ソロデビューシングル「the end of shite」で幕を開けた。
序盤は、「惑星に乗れ」「ハミングバード」などの懐かしいナンバーが続き、「WAGON」でゴキゲンなイントロが鳴り響くと、ここにいる全員が両手を挙げて手拍子。5万人が跳ねると、ドームが揺れた。YUKIも跳ねたり走ったりと、オーディエンスを興奮の渦へと引き込んでいき、曲によってさまざまな趣向が凝らされた演出は、歌の表情を変えながら、ステージを彩っていく。ライヴ中盤の「恋愛模様」では、スタンド席まで伸びた花道の中央に作られたケーキの上でスキャットを聴かせ、「ティンカーベル」では5万人が大合唱。YUKIからの愛がみんなに投げられ、みんなからの愛がYUKIに返されるというキャッチボールは、とても美しい光景だった。続く「歓びの種」では、身を乗り出し、ひとつひとつの言葉を愛おしそうに歌うYUKI。巨大なドームはYUKIの歌で包まれた。アンコールでは、東京ドーム公演を記念して制作されたという新曲「プレイボール」を初披露。そして、自らの10周年を祝って作った「世界はただ、輝いて」。軽やかなメロディーに乗せ、YUKIの10年間の歓びや葛藤が詰め込まれたこの歌は、圧倒的なパワーを放ち、“希望”という言葉を残してくれた。全29曲、3時間半にも及んだ、この日のライヴ。メロディー、サウンド、歌詞、歌声、パフォーマンス...YUKIが表現する全てで、この日を迎えられた歓びと、“ありがとう”の感謝の気持ちが表現されていた。