PAN にとって2014年初の東京でのライヴは自主企画の『春のPAN祭り』。主催者のPANの出番になると、オープニングSEからただならぬ熱気を見せ、「直感ベイベー」で口火を切ると待ってましたと言わんばかりにフロアーの温度は最高潮に。上から横から縦横無尽に入り乱れる。
続く「人生の湯」では川さん(Vo)が“パン食いたい奴いるか!”とおもむろにコンビニ袋いっぱいに入ったパンを取り出し、客席に1個ずつ放り込む。“あと6枚あるぞ!”と食パンの袋を開けて1枚ずつ投げると、オーディエンスが我先にとジャンプしてキャッチしようとする光景は実に異様だが、会場はそんな我を忘れてしまうような盛り上がりを見せていた。ライヴ中ずっと巻き起こるシンガロング、全身全霊でぶつかり合う姿には暑苦しくも清々しいものがあった。そんな中、4月16日にリリースのアルバム『ヒズム ハズム リズム』から新曲「天国ミュージック」を披露。駆け巡るような疾走感のあるバンドサウンド、ダンサブルなリズムに自然と巻き込まれてしまう勢いがあるほどのキラーチューン。今後、PANを代表する楽曲になることは、もみくちゃになっているオーディエンスの姿を観ていれば疑う余地もない。
楽曲の合間に即興で歌を歌ったり、たまにコントのような場面があったりと、長年キャリアを積んでいるPANだからこそのエンターテインメント性あふれるパフォーマンスに圧倒されたライヴ。名残惜しむかのように、白熱したアンコールが終わってもなお、再びメンバーの登場を待ちわびる歓声が鳴り止むことはなかったのも当然だろう。