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LIVE REPORT

FLiP

『LOVE THE TOXiC ?FiNAL and BEGINNING-』

2013年11月10日
@SHIBUYA-AX

FLiPの最新アルバム『LOVE TOXiCiTY』を引っ提げての全国ツアー最終公演『LOVE THE TOXiC CiTY -FiNAL and BEGINNING-』が、11月10日にSHIBUYA-AXで開催された。

激しい感情を叩きつけるようなナンバーの「カミングアウト」で始まった、この日のライヴ。「Tarantula」や「二十億光年の漂流」など、最新作『LOVE TOXiCiTY』からの楽曲を中心に、これまでのアルバムから「ライラ」「カートニアゴ」「ワンダーランド」などライヴで人気のナンバー、さらにインディーズ時代の名曲「It’s a lie」や、初披露の新曲も演奏。新旧織り交ぜた選曲と熱く情熱的な演奏の連続に、場内には大きな歓声が鳴り止むことなく、終始モッシュで観客が入り乱れた。

“今までは明日死ぬかもっていうくらいディープな気持ちで歌ってたけど、今日は違って明日があるからという気持ちで歌っている。でも、めっちゃエモく歌うけどね(笑)”というヴォーカルSachikoのMCを導入に披露した「a will」は、遺書めいた歌詞が衝撃。その場でコーラスを多重録音しながらの一人ハモとエモーショナルなヴォーカルによる弾き語りで披露し、実に深みのある表現力と世界観で観客を圧倒した。

新たな試みもいくつかあった。「Log in “Rabbit Hole”」「Dear Miss Mirror」では、Vドラム(Rolandの電子ドラム)がステージに。ライヴで使うのは初めてとのことで、ドラムのYuumiは“ちょっと今風じゃない?”と、ノリノリで演奏。硬質なビートによるサイバーな雰囲気で、新たな一面をのぞかせた。また「Bat Boy! Bat Girl!」では、ORESKABANDのホーン隊=SAKI(トランペット)、HAYAMI(トロンボーン)、morico(サックス)の3人が演奏に加わり、大迫力のブラスロックを展開。場内からは自然と手拍子が起こり、“Bat Boy!”や“Hey!”など、掛け声が上がった。

さらに、この日は新曲「Color Me Blood Red」も披露。マイナー調のメロディーが、胸をキュッとさせるナンバー。黙々と演奏するベースのSayaka、Yukoのトリッキーなギターのフレーズ...4人の真摯な演奏が、新たなFLiPの世界観を映し出した。ちなみに、この曲はKen Yokoyama率いるKen Bandのメンバーである、Jun Grayがプロデューサーを務める新レーベル“Jun Gray Records”から、12月18日にリリースされるコンピ盤『And Your Birds Can Sing』に収録されるとのこと。CDで、ぜひまた聴きたい1曲だ。

“最後の曲が終わった直後から、FLiPの第二章が始まる。これからのFLiPは、もっとヤバくなるからついてきてね!”

ラストのダブルアンコールでは、「茜」を披露。文字通り茜色に染まった会場で、手を左右に揺らした観客。ゆったりとしたレゲエのビートに身を委ねながら、FLiP第一章の終わりの瞬間を、しっかりと胸に刻みつけた。