風花の宿

春にはすこし 早いけど
ひとりたずねる 山の宿
涙を湯舟に 落として泣けば
季節はずれの 風花が
チラチラむなしい 風花の宿

強く抱かれて 幸せに
暮らすことさえ できません
胸にくすぶる 残り火さえも
逢えぬつらさに なお燃える
どうすりゃいいのよ 風花の宿

命を燃やした 旅路の春を
酒に浮かべて 涙ぐむ
幸せうすい 運命(さだめ)が憎い
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