津軽の母

雪の重さを はじいて生きる
りんごの技に 母を見る
都会暮らしは 辛かろと
娘に届けた 小包に
あゝ 月日を埋めて 雪が降る
母よ 母よ 津軽の母よ

仰ぐ岩木山(おやま)に 両手を合わせ
子どものために 働いた
破れ角巻 守られて
育った温もり 恋しくて
あゝ じょんがら節の 歌も泣く
母よ 母よ 津軽の母よ

他人(ひと)の桜に 遅れて咲けど
りんごは末に 実をつける
夢があるなら がんばれと
笑顔で送った その肩の
あゝ 苦労の根雪 いつ融ける
母よ 母よ 津軽の母よ
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