片瀬月

木の芽流しの 雨も止み
月が出ました 天城山
夜の湯船に 徳利を浮かべ
冷やで呑んでた あのひとの
面影恋し 胸恋し

十五夜の
月はまんまる 心は四角
とんでゆきたや 遠い空
夢で逢うよじゃ まだ遠い
昔なつかし…夜の月

好いて別れた あのひとは
何処でこの月 見てるやら
よりを戻せぬ 湯の街ぐらし
ほめる相手が 鴎では
おしゃれしたって つまんない
×