浜千鳥~ちんちん千鳥

青い月夜の 浜辺には
親を探して 鳴く鳥が
波の国から 生まれ出る
濡(ぬ)れたつばさの 銀の色

夜鳴く鳥の 悲しさは
親をたずねて 海こえて
月夜の国へ 消えてゆく
銀のつばさの 浜千鳥


ちんちん千鳥の啼(な)く夜(よ)さは
啼く夜さは
硝子戸しめてもまだ寒い
まだ寒い

ちんちん千鳥の啼く声は
啼く声は
燈(あかり)を消してもまだ消えぬ
まだ消えぬ

ちんちん千鳥は親ないか
親ないか
夜風に吹かれて川の上
川の上

ちんちん千鳥よ お寝(よ)らぬか
お寝らぬか
夜明(よあ)けの明星(みょうじょう)が早(は)や白(しら)
早や白む
×