流氷の町

時代おくれの 時計の音が
胸に淋しさ 刻(きざ)みこむ
旅の途中の 古びた酒場
面影浮かべる 苦い酒
流氷の町 心が凍る

泣かぬつもりの 男の背中
濡らす氷雨(ひさめ)が 身に沁みる
待っているわと 俺呼ぶ声に
振り向きゃ岩打つ 波ばかり
流氷の町 未練が凍る

しぶき桟橋 渦巻く風よ
道をたずねる 人影(かげ)もない
遠く離れりゃ あの優しさを
今更ながらに 想い出す
流氷の町 命が凍る
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