棄てるものがあるうちはいい

泣きぐせの 酔いどれが
ふらふら 行く先は
波しぶく桟橋か 男のいる町か
ぼろぼろの手紙は 別れのものだろが
死ぬことはない 泣くことはない
棄てるものがあるうちはいい

まだ若い やせた娘が
泣き泣き 行く先は
街角のうらないか はずれの教会か
星のないさだめと うらんでいるだろが
死ぬことはない 泣くことはない
棄てるものがあるうちはいい

家(うち)を出た 二人づれ
だまって 行く先は
別々の駅なのか 手紙を書く場所か
愛さえも疑い くやんでいるだろが
死ぬことはない 泣くことはない
棄てるものがあるうちはいい
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