赤い花

ひとりきり すくいあげる
指のあいだ こぼれてゆく日々

あのひとが 残したのは
光さえも 呑み込む砂漠よ

あぁ 心は泣き叫ぶけれど
こんな乾いた世界じゃ どんな声も響かない

風よ お願い さらわないで
二度と在り処を捜せぬように 深く埋めるから
朽ちるまで 思い 眠らせて

最後の涙をあげましょう 二度と咲かない花のために
赤いその色が 溶けるまで せめて 見届けさせて

めぐりあう偶然は
優しさにも ナイフにも変わる

耐えられぬ いたみでも
どうしてなの 追いかけてしまう

ねぇ あたしをいっそ切り裂いて
何も感じないほどの 傷をつけて去っていってよ

今は お願い おしえないで すべてを捨てて行ける理由を
遠く輝いた 愛までも 嘘と 言わないで

最後の涙が落ちたなら 二度とあなたが見えないように
歩き続けるの どこまでも 錆びた 景色の中を

風よ お願い さらわないで
二度と在り処を捜せぬように 深く埋めるから
朽ちるまで 思い 眠らせて

最後の涙をあげましょう 二度と咲かない花のために
赤いその色が 溶けるまで せめて 見守りたいと…
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