自転車少年

色あせた僕の自転車には
二つの大きなキズが残ってる
一つは2人目の女にやぶれた時の
もう一つは自分を裏切った時の

人もまばらな国道沿いの店に
缶ビールを買うためだけに走らせた
このままどこかへ飛んで行ってしまえば
忘れかけてた何かに出逢えるのだろうか

運命(さだめ)のない物語 生きてゆくのに臆病で
いつも同じ場所だけ行き来してたけれど
これからはいつかの自転車少年みたいに
未だ見ぬ道を 泥んこになって
かけめぐりたい

サーチライトが黒い雲を照らす
寂しさと欲望をかき回してる
「責任」というものはただのプライド
人の求める自分になる必要はない

ゆずれないものばかり 大人になればそりゃ増えて
小さなカゴからいっぱいはみ出しているよ
これからはいつかの自転車少年みたいに
何も持たずに 空だけ見上げて

迷ったり悩んだり? あたりまえの事だから
グラグラな時もハンドルだけはギュッとつかんで
そしてまたいつかの自転車少年みたいに
未だ見ぬ道を 泥んこになって
進み出すのさ
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